2017 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ照射による液状媒体深さ方向への活性酸素輸送のメカニズム解明と制御
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17K05100
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
川崎 敏之 日本文理大学, 工学部, 教授 (30352404)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プラズマジェット / プラズマ誘起流 / 活性酸素輸送 / 活性酸素分布 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1:液体へのプラズマ照射による誘起流の定量分析 定量解析を行うために必要なPIV計測システムの購入・整備を行い,実験できる環境を整備した。H29年度後半より実際に計測を実施しており,各種実験条件と誘起流の関係を一部定量的に明らかにすることができた。興味深い結果が得られており,高インパクトファクターの論文への投稿を進めている。本課題の更なる発展は,本研究の最大の目的である「深さ方向へのROS供給メカニズム解明」を実現するキーファクターであると位置づけている。今後,深さ方向への輸送のドライビングフォースが明らかになることを期待する。 課題2:液体中のROS輸送メカニズムの解明 実験に使用する液体の化学特性が輸送に与える影響として,pH,導電率の影響を明らかにした。ROSスカベンジャーを用いたROS同定に関する実験では,当初の予定より多くの結果を得ることができた。この結果は,他研究者によるシミュレーション結果に一致することが明らかとなり,本研究が初めて実験的に明らかにしたことになる。これに関しては,現在結果をまとめている最中である。当初は使えると想定していたスカベンジャーが本実験条件下においては一部使えないことが判明し,他のスカベンジャーを用いてより詳細な検討が必要である。一方で,ESR等を用いた計測には至らなかった。引き続き,研究を進める予定である。 課題3:模擬生体中のROS輸送メカニズムの解明 課題1, 2で予想以上の結果が得られた一方で,本課題は当初の予定より進捗状況は良くない。実験手法は過去に構築しているので,H30年度は早急に進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載したように,課題1, 2では当初の予定以上の結果が得られそうだったため,これら課題を集中的に進めた。その結果,当初はH30年度にすべき内容にも一部着手することができた。これらについては既に国内外の研究発表で広く公表した。研究論文としての公表は現在進めている。一方で,課題3については,進捗状況は良いとは言えない。H30年度でその遅れを取り返す計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1, 2は当初の予定より大幅に研究が進むと同時に,興味深い結果も得られている。特に課題1は引き続き発展が期待される状況となっている。研究をさらに発展させると同時に,論文として公表するための作業を早急に進める。 課題3はH29年度の遅れを取り戻すと同時に,集中的に実験を進める予定である。実験方法は過去の実績があるため,すぐに実験に取り掛かることができる状況である。
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Causes of Carryover |
旅費とその他はほぼ計画通りの支出であった。一方で,当初の計画と最も大きな差が出た費目は物品費である。これは,PIV計測システムの一部として購入したノートパソコンが,キャンペーン価格で購入できたことによるものである。効率良く助成金を使用した結果である。繰り越される次年度使用額は薬品等の消耗品費として使用する予定である。
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Research Products
(18 results)