2019 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of an AuNPs@CNT biosensor on a chip by an atmospheric-pressure microplasma
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17K05101
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
吉木 宏之 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00300525)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プラズマ加工 / ナノ材料 / 大気圧μプラズマ / 金ナノ粒子 / SWCNT / シュリーレン法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高い表面積/体積比と優れた電気伝導度を有する単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)の表面を,優れた触媒能を持つ金ナノ粒子(AuNPs)で修飾した金ナノ粒子担持CNT(AuNPs@CNT)のオンサイト合成とグルコースセンサー等のバイオセンサーへの応用を目的とする. R1年度は,(1)AuNPs@CNTの微量合成とAuNPsの粒径制御,(2)シュリーレン法による大気圧Heマイクロプラズマ流の流れ観察を行なった. (1)エタノール(99.5%)にSWCNTsを添加して超音波分散させたSWCNTs分散液(200μL)に塩化金酸(HAuCl4)水溶液(100μL)を加えたサンプル溶液を96穴マイクロウェルに滴下して,大気圧Heマイクロプラズマ照射をおこないAuNPs@CNTの合成を試みた.プラズマ照射で溶液はAuNPsの表面プラズモン共鳴で薄赤色を呈した.TEM観察の結果,プラズマ照射時間が1,3,5 分でそれぞれ平均粒径5.29,6.09,13.97 nm,標準偏差2.63,6.19,3.50 nmのAuNPsの粒径分布を確認した.これはエタノールがプラズマ照射で解離・分解してSWCNTs表面に-COOH,-OH等の官能基が導入されることでAuNPsの成長サイトが形成されたと考えられる.OESからHラジカルによる還元も示唆された.また,微量サンプル溶液(300μL)に短時間プラズマ照射(1-3分)することで,触媒活性が高いとされる粒径5-10 nmのAuNPsの制御にも成功して,AuNPs@CNTのオンサイト合成に道筋を立てた. (2)本研究で用いたφ0.9 mm細径パイプ電極から噴射される大気圧Heマイクロプラズマ流は,He流量,パイプ電極と対向電極(基板や液面)の距離,投入電力の増加で層流から乱流へと遷移すること,プラズマ照射部から周辺への対流発生を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
塩化金酸(HAuCl4)水溶液への単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)の分散方法では,2018年度実施のカテキン水溶液を用いた方法(先行研究:G. Nakamura 他, Chem Lett. 36 (2007) p.1140)に代わる新たな方法を試行錯誤した結果,エタノール+超音波印加によるSWCNTs分散液をHAuCL4に滴下する手法で金ナノ粒子担持CNT(AuNPs@CNT)のオンサイト合成と,大気圧Heマイクロプラズマの照射時間をパラメーターとしたAuNPsの粒径制御を達成することが出来た.この手法により触媒活性が高いとされる粒径5-10 nmのAuNPsの合成にも成功した. また,シュリーレン法による大気圧Heマイクロプラズマ流の流れの可視化から,微量サンプル溶液(数百μL)へのプラズマ照射条件(ガス流量,照射距離,投入電力)の最適化の指針を得た. しかし,当初予定したAuNPs@CNTのバイオセンサーとしての特性評価(電気化学特性など)を研究最終年度(2019年度)に実施出来なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で合成に成功したAuNPs@CNTを作用電極とする酸化・還元測定回路を構成して,サイクリックボルタンメトリーによるCV波形の測定からAuNPs@CNTの電気化学特性の評価を実施する. また,Si基板でのAuNPs@CNTオンサイト合成も検証する.
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Causes of Carryover |
当初の研究期間内(3年間)で予定していた,プラズマ合成したAuNPs@CNTの酸化・還元特性をサイクリックボルタンメトリーによるCV波形から評価する項目に関して,CV測定で用いる試薬,器具等の消耗品の購入に必要とする. また,研究成果公開として国内外の学術誌への論文投稿費等を必要とする.
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