2018 Fiscal Year Research-status Report
グラフェン・ZnOナノロッド融合体を用いたフレキシブルフォースセンサー
Project/Area Number |
17K05103
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10314072)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ZnOナノロッド / センサー / グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェン/ZnOナノロッド/グラフェンのサンドイッチ構造を作製し、フレキシブルで高感度なフォースセンサー創成を目論んでいる。前年度までに、減圧CVD法でのグラフェン成長、グラフェン上へのZnOナノロッド成長を決める条件について確認はできているが、グラフェンのサイズ・結晶性のバラツキ、グラフェン上のZnOナノロッドの成長面積が小さいという課題があった。本年度は、グラフェン作製のCVDプロセス条件と、グラフェン上へのZnOナノロッド形成のための水熱合成条件最適化を行い、以下の様な成果が得られた。 1)CVD実験条件を再確認した結果、基板そのものの選択に問題があることがわかった。前年度までは、厚さ数10ミクロンの箔状銅(Cu)を基板として用いていたが、室温から1000℃のCVDプロセス温度変化で、波状あるいは巻き状に変形し、グラフェンの成長を不安定にしていることがわかった。そこで、高耐熱性基板の石英、サファイア基板上にCu、チタン(Ti)堆積後にCuを薄膜堆積して、グラフェンのCVD成長を行った。グラフェンは、基板上へのCVD成長後、別の基板上に転写する必要があるが、Cu/Ti/高耐熱性基板では、Ti層を酸などで溶かせグラフェンのみを剥離することが難しく、薄いCu/高耐熱性基板でも同様に困難であった。Cuの膜厚を変えて実験を行った結果、10ミクロン程度のCu層を高耐熱性基板に用いた場合には、Cu層を容易に溶かせることができ、グラフェンの剥離・転写に成功した。 2)グラフェンの炭素欠損部分、あるいは結晶粒界へのZnO種結晶形成、種結晶からのZnOナノロッド成長を期待して、硝酸亜鉛水溶液で、石英基板上に転写したグラフェンをリンスし、乾燥後熱処理をした後、水熱合成することにより、ほぼ配向成長したZnOナノロッドを試料全面に得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の発展形であるが、当初計画した2項目:グラフェンの均一・大面積作製技術の確立、グラフェン上へのZnOナノロッドの成長実験を行い、貴重なデータは充分に得られたと考えている。しかしながら、さらなるグラフェンの均質化を狙い購入した「高周波電源システム」を用いたCVDガスのプラズマ発生が、グラフェンの成長に及ぼす明確な効果は未だ観察されてはおらず、進展評価の減点に繋がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
CVDガスプラズマ化のグラフェン均質化効果を確認し、グラフェン/ZnOナノロッド/グラフェンのサンドイッチ構造を高分子フィルム上に形成して、フレキシブルかつガス等への高感度性を実証する。
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