2018 Fiscal Year Research-status Report
エネルギー解析白色中性子ホログラフィー法の開発とドープ系機能性材料への応用
Project/Area Number |
17K05116
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大山 研司 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (60241569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八方 直久 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30285431)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中性子 / ホログラフィー / 半導体 / 熱電材料 / 希土類強相関電子系 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度において白色中性子ホログラフィーの開発は大きく進展し、いくつか重要な機能性材料において学術的な成果をあげた。まず、白色LEDとして注目されているSiCでのドーパント位置の決定に成功した。SiCはBをドープすることで輝度が大幅に向上することが知られているが、Bがどの位置に入るのかは測定法がなく、未解決であった。本基盤Cでの実験により、BがCと置換していることを解明した。この結果は第18回日本中性子科学会化学会年会で優秀ポスター賞を受賞した。 熱電材料Mg2Siは軽量、安価、安全というメリットがあり、新しいエネルギー材料として注目されている。Mg2Siの性能向上にはBなどのドープが必要だが、本基盤Cでの実験により、Mg2SiにドープされたBはMg位置にはいっていることを解明した。 希土類強相関原子系であるSmドープRB6t(R: Yb, La)において、原子像の虚部に物理的意味があることを示した。これは従来の理論では指摘されていないことで、散乱現象の新たな知見となった。この成果は、ヨーロッパ結晶学会国際会議ECM31においてJacek Grochowski Memorial Poster Prizeを受賞した。 現段階での中性子ホログラフィーの課題は、大型の単結晶が必要な点である。その解決のため、H30年度には、粉末中性子ホログラフィーの開発を開始し、BドープSi粉末において有望な結果をえることができた。この結果は、新学術領域「3D活性サイト科学」報告会において大門賞を受賞した。 ホログラフィーにおいて定量的解析には、シミュレーション計算との比較が必要だが、これまで中性子ホログラフィーでは公開されたシミュレーションソフトは存在しなかった。そこで本基盤Cの枠組みでソフト開発を行い、信頼できるシミュレーションソフトを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述のように多くの重要な機能性材料でドープ効果について具体的な新しい知見を得ることに成功し、2年目にして、中性子ホログラフィーの手法としてはほぼ確立することができた。その結果として、学会などで多数の受賞をしている。また中性子ホログラフィーとしては世界初となるシミュレーションソフトの開発にも成功し、定量的解析を可能にした。これらは、当初計画をかなり上回る早さでの進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH31年度には、実際の機能性材料でのドープ効果の解明をすすめると同時に、粉末ホログラフィーの実現、および水素化物への挑戦を行う。最終年度であることから、発表を重視する。
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Causes of Carryover |
分担者の年度末の出張計画に急な変更(キャンセル)が生じたため、次年度使用とした。これは分担者への分担金(旅費)にあてる。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] Local structure investigations of B doped Si by neutron atomic-resolution holography2019
Author(s)
Y. Kanazawa, Y. Fukumoto, S. Uechi, K. Ohoyama, M. Lederer, N. Happo, K. Hayashi, K. Kimura, S. Hosokawa, T. Hada, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, K. Tsutsui
Organizer
The 17th Japan-Korea Meeting on Neutron Science
Int'l Joint Research
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[Presentation] Present Status and Future Plans of White Neutron Holography in J-PARC2019
Author(s)
K. Ohoyama, Y. Fukumoto, S. Uechi, Y. Kanazawa, K. Sugimoto, T. Yamamoto, K. Hayashi, N. Happo, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura
Organizer
Symposium on 3D Active-site Science in London,
Int'l Joint Research
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[Presentation] Boron concentration dependence of atomic fluctuation in B doped Si by neutron atomic resolution holography2019
Author(s)
Y. Kanazawa, Y. Fukumoto, S. Uechi, K. Ohoyama, K. Hayashi, N. Happo, H. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, K. Tsutsui
Organizer
Symposium on 3D Active-site Science in London,
Int'l Joint Research
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[Presentation] Progress of white neutron atomic resolution holography - Expansion of target elements and theory -2019
Author(s)
S. Uechi, Y. Kanazawa, Y. Fukumoto, T. Yamamoto, K. Sugimoto, K. Ohoyama, N. Happo, K. Hayashi, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, W. Matsuhra, F. Iga
Organizer
Symposium on 3D Active-site Science in London,
Int'l Joint Research
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[Presentation] Local structure observation of Sm doped LaB6 by white neutron atomic resolution holography2019
Author(s)
S. Uechi, Y. Kanazawa, Y. Fukumoto, B. Paulus, K. Ohoyama, N. Happo, K. Hayashi, K. Kimura, S. Hosokawa, T. Hada, M. Harada, K. Oikawa, Y. Inamura, W. Matsuura, F. Iga
Organizer
The 17th Japan-Korea Meeting on Neutron Science
Int'l Joint Research
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[Presentation] Determination of dopant position of thermalelectric material B-doped Mg2Si by white neutron holography2019
Author(s)
Kazuya Sugimoto, Syouichi Uechi, Yuki Kanazawa, Yohei Fukumoto, Takayoshi Yamamoto, Kenji Ohoyama, Kouichi Hayashi, Naohisa Happo, Masahide Harada, Kenichi Oikawa, Yasuhiro Inamura, Kei Hayashi, Wataru Saitou, Yuzuru Miyazaki
Organizer
The 17th Japan-Korea Meeting on Neutron Science
Int'l Joint Research
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