2021 Fiscal Year Annual Research Report

Control of polymer nanostructure by using a radiation technique and its applications

Research Project

Project/Area Number	17K05134
Research Institution	National Institutes for Quantum Science and Technology
Principal Investigator	廣木章博国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所先端機能材料研究部, 主幹研究員 (10370462)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	長澤尚胤国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所放射線高度利用施設部, 課長 (00370437) 木村敦国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所先端機能材料研究部, 上席研究員 (60465979) 吉村公男国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所先端機能材料研究部, 主幹研究員 (40549672)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords	放射線ラジカル重合 / 放射線グラフト重合 / γ線 / 高分子電解質膜 / 燃料電池 / ゲル線量計
Outline of Annual Research Achievements	高分子ナノ構造制御による高性能アルカリ型燃料電池に関する研究では、放射線グラフト重合技術により、エチレン－テトラフルオロエチレン共重合体 (ETFE) 基材膜にアニオン伝導性高分子を導入して高分子電解質膜（ETFE-AEM）を作製した。X線小角散乱と中性子小角散乱測定によるETFE-AEM内のナノ構造解析の結果、作製したETFE-AEMは、親水性ドメインと疎水性ドメインから成る二相構造を形成し、さらに親水性ドメイン内においては、イオン伝導性グラフト鎖と水とが相分離していることを明らかにした。また、イオン伝導性を担うイミダゾリウムカチオンが存在するポリマーミセルのサイズは、共重合モノマー（疎水性のスチレン）比の増加と共に大きくなり、アルカリ耐性が低下することが分かった。これは、相分離が進むことで、イオン伝導性官能基が水酸化物イオンによる求核攻撃を受けやすくなったためと考えられる。ゲル中のポリマー生成に伴う白濁化挙動を利用した線量評価用材料に関する研究では、モノマーや脱酸素剤の濃度が低すぎても高すぎても白濁し難くなり、放射線感受性が最大となる最適な調製条件を見出すことができた。また、ゲルの調製条件を制御することで、モノマー未添加ゲルに比べゲルの機械的強度を高くすることができることを見出した。作製した透明なゲル材料は、高強度、且つ生分解性を示したことから、環境に優しい光学材料に応用可能である。