2018 Fiscal Year Research-status Report
逆軌道体構成法を用いた中心電荷24の正則頂点作用素代数の一意性の研究
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17K05154
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島倉 裕樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90399791)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 代数学 / 頂点作用素代数 / 軌道体構成法 / 正則頂点作用素代数 / 自己同型群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、逆軌道体構成法を用いて、中心電荷24の正則頂点作用素代数の一意性、すなわち、共形重さ1のリー代数構造による特徴付け、を証明することである。
今年度は昨年度の手法で未解決であった6個の場合の一意性の研究を行った。その結果、リー代数上に自明に作用する自己同型による部分群を決定することで、軌道体構成法に用いる自己同型の共役類の一意性を証明することが可能であることに気がついた。そして、残りの6個は格子頂点作用素代数から2回の軌道体構成法を行って得られるため、上手く証明を完成させることができた。特に、ミラー拡大の理論とアフィン頂点作用素代数の拡大の理論を上手く活用したことが証明の鍵である。これによって、中心電荷24の正則頂点作用素代数でリー代数が非自明な70個の場合に一意性の証明が完成した。これら成果を論文としてまとめ、現在投稿中である。また、一意性の応用として、中心電荷24の正則頂点作用素代数の自己同型群の研究を開始した。格子頂点作用素代数と-1自己同型の持ち上げに軌道体構成法を適用して得られる14個の場合に自己同型群の大まかな構造を決定した。これら成果について、国内外の複数の研究会で研究発表している。
昨年度に投稿中であった論文「On orbifold constructions associated with the Leech lattice vertex operator algebra」は微修正の上で国際数学専門誌 Math. Proc. Cambridge Philos. Soc. に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
残された6個の場合の一意性の証明を行い、本研究目的を概ね達成できた。さらに、一意性の応用として正則頂点作用素代数の自己同型群に関する研究成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
長年の未解決問題であるムーンシャイン頂点作用素代数の一意性の証明に挑戦する。また、一意性の応用として、自己同型群の構造の研究を行う。
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