2018 Fiscal Year Research-status Report
Self-inducing structure of arithmetic algorithms
Project/Area Number |
17K05159
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 茂樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60212445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 久利 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50363346)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 自己誘導構造 / Pisot 数 / 置換規則 / Bernoulli convolution / メビウス直交性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Morlet Chair による研究オーガナイザとしてのCIRM 滞在で与えられた人脈を生かし、置換規則力学系とその自己相似構造に関連する広い話題の研究を進めることができた。 Bernoulli convolution は overlap を許す数系に対応する測度であり、多くの関心を集めている。D.-J. Feng, T. Kempton, T. Persson の三氏との共同で Bernoulli convolution の Garcia entropy の計算アルゴリズムを与えた。この成果は、Pisot 数でない一般の代数的数を対象にしており、今後の発展が期待される。 有理数を底とする数系は、様々な extremal な性質をもつので多くの分野からの興味の対象となっている。数論との関連でも Mahler の著名な未解決問題と関連していることが知られている。この問題に関してかねてからの共同研究者である V. Marsault, J.Sakarovitch と共同で有理数ベース数系に対応する自己相似構造の研究を行った。今回対応する構造のハウスドルフ次元の明示的な予想を提出した。 零エントロピーの力学系のコード化において P.Sarnak によるメビウス関数の値との直交性(無相関)の問題は著名である。Yunping Jiang 氏との共同で、この予想に関連する強振動数列を定義し、その存在を示した。手法は古典的な一様分布論の成果を用いるものであるが、結論は他の研究に影響を与えるものとなっている。 阿原一志、小松和志、林浩子らとの双曲空間のタイル張りの研究では、ただ一種のタイルからなる強い非周期性を持つタイル張りを構成することに成功した。 今井克暢、J.Caalim、金子元との研究でタイル張りのコロナ極限の定義を一般的な枠組みで与え、その基本的性質を調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Bernoulli convolution やメビウス直交性など新しい共同研究が進んだ。さらに最近も様々な角度で置換規則力学系の自己誘導構造を調べるいくつかの研究が進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
金子元、釜江哲朗、との数論的アルゴリズムのラグランジュスペクトルの共同研究、金子元、D.Kim との生成点同値な力学系の研究 J.Y.Lee. 永井康史との純離散スペクトルを示すタイル張り力学系の窓の構成問題。永井康史、S.Q.Zhang らとの重なりを許す置換規則力学系の研究など 最近多くの共同研究が発展している。これらを着実に進める。
|
Causes of Carryover |
国際研究集会での招待講演で滞在費補助を頂く場合が多く、予定したよりも自己資金を使わなかったので、繰り越して研究者招聘等に有効に用いるため。
|
Research Products
(15 results)