2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on random distribution and independence of L-functions
Project/Area Number |
17K05160
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
名越 弘文 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (70571165)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | L-関数 / セルバーグ・クラス / 独立性 / 普遍性定理 / レルヒ・ゼータ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に得られた新たな研究結果として次のものがある。 (1) セルバーグ・クラスに属する一般の関数たちに対して,代数的独立性は必ずしも成り立たない。どのような条件が成り立つときにそのような独立性やもっと強い独立性が成り立つのかを考察した。セルバーグ・クラスに属する原始的な関数たちに対するセルバーグによるある予想を仮定したときに,一般の関数たちは原始的な関数たちに分解される。その予想を仮定したとき,一般の関数たちに対して,ある条件において代数的微分独立性が成り立つことを証明した。 (2) 研究代表者は,2019年のある論文において,あるクラスのレルヒ・ゼータ関数たちについて値たちの稠密性の結果を得た。本年度では,その結果に関連して,同じクラスのレルヒ・ゼータ関数たちに対しVoroninの意味での同時普遍性定理の結果を得た。この結果は,これまでに知られていたいくつかの関連結果たちを拡張したものになっている。 (3) リーマン・ゼータ関数に関連するある関数たちに対して,臨界線上の値たちの同時稠密性に関するある結果を得た。また,類似の結果が,もっと一般にセルバーグ・クラスに属する関数たちに対して成り立つのかを考察した。その結果,適当な仮定の元で,類似だけでなくもっと強いある同時稠密性が成り立つことを示した。 (4) リーマン・ゼータ関数や関連する一般のL-関数たちに対しては,一般リーマン予想が成り立つことが予想されており,これまでに様々な結果が知られている。研究代表者は,1つのL-関数に対する一般リーマン予想ではなく,L-関数たちの適当な集合に対して関連することを考察した。その集合に属するすべてのL-関数たちに対して一般リーマン予想が成り立つという命題について,その集合に属するL-関数たちとの互いの関連の視点で同値な命題を得た。その証明においては,同時普遍性定理などを使う。
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Research Products
(1 results)