2019 Fiscal Year Research-status Report
Reseach on modular representations and standard modules of association schemes
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17K05165
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花木 章秀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (50262647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | association scheme / Hadamard matrix / Frame number / adjacency algebra |
Outline of Annual Research Achievements |
1. アソシエーションスキームの隣接代数は自然に行列環として定義される。その全行列環における中心化環を2回とったものを考える。これは係数環が複素数体であるときには元の隣接代数と一致するが、正標数の体では一般に一致しない。アソシエーションスキームがシュアー的であるとき、または代数の次元が3以下であるとき、2回中心化環が隣接代数と一致することを示した。これによってシュアー的であるかどうかの一つの判定法が得られる。 2. アソシエーションスキームの正標数の体上の隣接代数の半単純性は、体の標数がフレーム数を割り切るかどうかで判定される。しかしまだフレーム数はよく理解されてはいない。フレーム数、有理数体上の隣接代数、有理整数環上の隣接代数の指数に関する一つの関係式を証明した。 3. H. Kharaghani, A. Mohammadian, B. Teyfeh-Reszie は計算機を用いてサイズ 32 の歪アダマール行列の分類に成功した。これを用いてサイズ 31 のアソシエーションスキームの分類に成功した。これでサイズ 34 までのすべてのアソシエーションスキームの分類が終わったことになる。 4. [吉川昌慶氏(兵庫教育大)との共同研究] ランク3の非対称アソシエーションスキームからランク8の非可換アソシエーションスキーム2つの組を構成した。得られる組は位数8の二面体群と四元数群に類似しており、同じ指標表を持ちシュアー指数によって区別される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アソシエーションスキームの標準加群に関する新しい結果が得られている。また関連する結果として、アソシエーションスキームの分類、新しいアソシエーションスキームの構成、新しい関係式の発見、などが得られており、研究は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
アソシエーションスキームの標準加群を考えることによって、あるパラメータを持つ強正則グラフの非存在を示すことを考える。この際には標準加群だけでは情報が不足することが予想できるため Terwilliger 代数なども併せて考える。特に正標数の体上の Terwilliger 代数はまだ研究されていないため、この研究にも手を付ける予定である。
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Causes of Carryover |
2019 年度の年度末に予定していたいくつかの出張がキャンセルされた。また 2020 年度に数名の海外研究者を招いて集会を予定していた。このために残額が生じた。2020 年度に可能ならば海外研究者を招いての集会を行いたいと思っているが、できない場合は更に 2021 年度に繰り越すことを計画する。
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