2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mean Value theorems of error terms related to various objects in number theory
Project/Area Number |
17K05166
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古屋 淳 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10413890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数論的誤差項 / 広義積分 / オイラー関数 / メビウス関数 / 漸近公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は「新型コロナの影響による期間延長」として、昨年からの継続課題についての研究に取り組んだ。具体的には昨年度からの課題「数論的誤差項を含む広義積分の性質の解析」であるが(1)オイラー関数の和から生ずる誤差項(2)オイラー関数の生成関数を微分化して生じる数論的関数の和から生じる誤差項、の2つを主に取り扱った。 (1)については、該当の誤差項 E(x)と x^(-s)(log x)^j (複素変数 s、j=0 または 1)の積の、区間 [1, N] の定積分の漸近公式(N は十分大)を導き、それを用いることにより広義積分の複素関数としての形を導くことができた。ただし、この結果は「広義積分の収束性」を導くまでには至れていない、つまり「(一様)収束の限界範囲」も導くためにはさらなる研究が必要となる、と評せざるを得ない結果である。 (2)については、まずは微分化から生ずる数論的関数 f(n) (n は自然数)の生成関数の決定・ f(n)の和の漸近公式の導出を行うことに取り組んだ。オイラー関数の生成関数はリーマンゼータ関数の商で構成されているがどの形で研究を遂行するかが最初に必要な議論であった。具体的には該当の生成関数の分子を L1、分母を L2 で表示したとき、どちらを微分化するか・両方とも微分化するかで関数の形が違ってくるのでそれらの関連性・異質性を導くことから議論する必要があった。これについては「どちらかの微分に対してはその2関数の間に成り立つ関係式」を導くことができたため、どちらかの微分のみを考えることに議論を帰着できることが分かった。その片方の関数の和の漸近公式を導くことまでは研究を進めることはできたが現状ではこの研究はその後の議論、つまりこの場合の誤差項を含む広義積分の解析、は行えてはいない。
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