2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05174
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
平之内 俊郎 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30532551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 類体論 / 楕円曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 正標数局所体上の開曲線 (open curve) の類体論に関する論文を完成させ、投稿後、受理され採録決定となった。これは局所体上の曲線に対する相互写像の像と核を決定する、と言う問題である。これは本研究計画の第一段階とも言える。 2. 正標数局所体上の開曲線の積に対する類体論に関する研究を行い、論文を作成した。局所体上の曲線の積、という特別な形の(局所体上の)高次元代数多様体に対する相互写像の像と核を決定する、と言う問題である。曲線の積の相互写像に関する問題を1つの曲線の場合に帰着させる。1つの曲線の場合は上記 1 によって得られた結果を用いる。こうした証明に至る手法・アイデア等も研究計画書に書いたとおりのままプレプリントを作成する段階まで進むことができた。引き続き証明に問題が無いかを検証する作業に入っている。またこの研究成果については国内で開かれた研究集会で発表している。 3. 有理数体上の楕円曲線に付随する(代数体の)類数の下限に関する研究を行い、論文を作成した。素数 p を固定したときに、有理数体上の楕円曲線が半安定であって尚且つ p で乗法的還元をもち付随する mod p ガロア表現が全射であるときに、楕円曲線の p 冪等分点を添加した代数体の類数の下限がその楕円曲線の Mordell-Weil 階数で書けることが知られていた。今回、上記の仮定を大幅に減らした上に、証明を簡易化させることに成功した。またこの研究成果については国内で開かれた研究集会で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画通り、正標数局所体上の曲線の類体論に関する論文を完成させ採録決定となった。また同時に正標数局所体上の曲線の積に対する類体論に関しても論文執筆までが完了し、来年度中の完成(受理)を目標としている。また当初の研究計画にはなかった有理数体上の楕円曲線に付随する(代数体の)類数の下限に関する研究も予想以上に進み、論文を作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、今年度中に曲線の積に対する類体論に関する論文を執筆し、完成(受理)させることを第一の目標としている。またこれも計画通り、こうした類体論の「類数」にあたる不変量の具体的な計算も行う予定である。同時に有理数体上の楕円曲線に付随する(代数体の)類数の下限に関する論文も執筆・投稿して今年度中に完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
勤務先の異動により、状況が変わり夏期の長期出張が当初の予定よりも短縮されたため。次年度使用額は主に旅費として使用する予定。
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Research Products
(4 results)