2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K05185
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小森 靖 立教大学, 理学部, 教授 (80343200)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重ゼータ関数 / ルート系 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は, 昨年度までに行っていたルート系やリー群に付随する多重ゼータ値や関数に関する膨大な研究成果についての本の原稿を完成させ, 校正の段階まで至った. この本は単なるまとめではなく, すでに出版されている論文の定理に対し、その証明の改良や簡単化, またルート系を記述するディンキン図形の自己同型群に付随する対称性を含む新たな主張や例なども織り交ぜられており, 理論の進展に大きく貢献するものであると考えられる (松本耕二氏 (名古屋大), 津村博文氏 (都立大) との共同研究). また以前導入した複素一般線型群に付随する荒川・金子ゼータ関数をさらに拡張することによって, 近年考察されている poly-cosecant 数に関する双対性や補間ゼータ関数, さらに T 値との関係や Bernoulli 数の拡張について研究を行った. 以前の定義では被積分関数の分母は1次式であったが, リーマン球面上の自己同型の微分形式としては2次式であることがふさわしく, これを用いるとことで拡張がより自然になることがわかった. またこれまで直線や Hankel 路を用いた多重積分でゼータ関数を定義していたが, この枠には収まらないゼータ関数が出現したため, 新たな被積分関数の評価や, 一次分数変換による積分路の衝突の角度に関する考察が必要となった (金子昌信氏 (九州大), 津村博文氏 (都立大) との共同研究).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの, 執筆していた本がほぼ完成でき, また, 金子氏津村氏との共同研究に進展が見られた.
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Strategy for Future Research Activity |
ルート系の多重ゼータ関数について執筆していた本がほぼ完成したこともあり, 新たな研究として, これまで構想のみであった有限多重ゼータ値類似や q 類似などについて, 松本氏津村氏と共同で研究を進めていく予定である. また金子氏津村氏と共同研究している荒川金子ゼータ関数についてもさらなる発展を考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で出張が全て中止になったため次年度使用額が生じた. 次年度に研究会などが再開された際に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)