2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K05186
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| Research Institution | Kyoto Sangyo University |
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Principal Investigator |
村瀬 篤 京都産業大学, 理学部, 教授 (40157772)
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2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | ヤコビ形式 / 無限積 / 対称性 / 2次ジーゲル保型形式 / 斎藤-黒川リフティング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
B.Heim氏（ドイツ工科大学（オマーン））との共同研究において、次の研究成果を得た。第一に、ベクトル系の族に対し、無限積の族を構成し、それらが合同部分群上のヤコビ形式になることを示した。第二に、合同部分群上のヤコビ形式の族に対し、「階層構造付き乗法対称性」の概念を導入し、上で構成したヤコビ形式の族が対称性を満たすことを示した。第三に、正則ヤコビ形式の族が階層構造付き乗法対称性を満たすならば、それらが第一の研究成果で構成した族と定数倍を除いて一致することを示した。第四に、様々な古典的テータ関数が、上で構成したヤコビ形式の族の一員となることを示した。以上の成果に関する論文を現在作成中である。なお、本科研費のサポートにより、Heim氏を京都産業大学へ招聘し、以上の共同研究を進めた。
菅野孝史氏（金沢大学）との共同研究において、次の研究成果を得た。第一に、正則ヤコビ形式の族に対し、斎藤-黒川リフティングの一般化として、合同部分群上の2次ジーゲル正則保型形式を構成した。第二に、合同部分群上の2次ジーゲル保型形式の族に対し、「階層構造付き加法対称性」の概念を導入し、上で構成した族が対称性を満たすことを示した。第三に、合同部分群上の2次ジーゲル正則保型形式の族が、階層構造付き加法対称性を満たすならば、第一の研究成果で構成した族と一致することを示した。独立にHeim氏も、一般化された斎藤-黒川リフティングの対称性を研究しており、本研究成果との関係を現在研究中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトの目標である、「直交群O(2,n+2)上の保型形式の階層構造付き対称性」の研究は、順調に進行している。平成29年度は、ヤコビ形式の階層構造付き乗法対称性については、ほぼ完成した。また、2次ジーゲル形式の階層構造付き加法対称性についても、満足すべき研究成果が得られた。一方で、最近新しい研究テーマで共同研究が始まり（次項で詳述）、研究時間の資源をかなりそそいだため、研究目標の一つである2次四元数ユニタリ群上の保型形式については、研究が進んでいない。
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| Strategy for Future Research Activity |
最近、Heim氏、Kaiser氏（マックス・プランク研究所）と、本研究のテーマである保型形式の対称性と数論幾何におけるAndre-Oort予想との関係について、共同研究を開始した。このテーマは、本研究の申請時には想定していなかったが、Kaiser氏の共同研究参加により進展したものである。現在の目標は、整数論において極めて重要な役割を果たすモジュラー曲線をある対称性によって特徴付けることにある。平成30年度には、本科研費申請時の研究テーマである保型形式の対称性に加えて、Andre-Oort予想との関係についても研究を進める計画である。全体のエファットのバランスおよびAndre-Oort予想との関係の重要性を考慮して、平成30年度は、2次四元数ユニタリ群上の保型形式については研究を一時休止し、保型形式の対称性およびAndre-Oort予想との関係に集中する計画である。
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Research Products
(3 results)
