2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05190
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 光男 筑波大学, 数理物質系, 講師 (90181495)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ネター環 / 被役グレード / グレード / 一般中山予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
Rを右ネター環とし,{S(λ)}を単純右R加群の同型類の完全代表系とする.各λに対してE(λ)によって右R加群としてのS(λ)の移入包絡を表すことにする.また,Aを環R上の非可換代数,即ち,環Rからの環準同型写像R→Aが与えられている他の右ネター環とし,Vを(A,R)-双加群で以下の3条件を満たすものとする:1)右R加群としてVは無限の被約グレードを持つ有限生成加群である;2)左A加群としてVは忠実に平坦である;3)全てのλに対して,VとE(λ)とのR上のテンソル積は左A加群として有限の移入次元を持つ.このとき,以下の主張が成り立つことを示した. (1)無限の被約グレードを持つ任意の有限生成右A加群Xに対して,XとVとのA上のテンソル積は右R加群として無限の被約グレードを持つ. (2)もし有限生成右R加群で無限のグレードを持つものが零加群以外に存在しないならば,環Aについても同様の主張が成り立つ. (3)無限の被役グレードを持つ任意の有限生成右A加群Xに対して,もしXとVとのA上のテンソル積が右R加群として捩れを持たなければ,右A加群Xもやはり捩れを持たない. (4)任意のAの極大右イデアルMに対して,VをでMVで割った剰余加群V/MVの右R加群としての零化イデアルをNとするとき,剰余環R/Nが半単純環であるとする.このとき,もし環Rに対して一般中山予想が肯定的に成立すれば,環Aに対してもやはり一般中山予想が肯定的に成立する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要欄において,特にVが右R加群として有限生成の場合を考えるとき,もしVのR双対が左R加群として有限の射影次元を持つならば条件3)は自動的に満たされることも示した.従って,AがRのフロベニウス拡大環の場合には,VとしてAをとることにができる.これによって,初期の目的がほぼ達成された.
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者の亀山(サレジオ高専)・古賀(東京電機大)との間で行なっている研究セミナーを継続する.そのセミナーに研究分野の近い研究者を適宜招聘し,またこちらから他の研究機関でのセミナーに参加して研究討論を行う.また,国内外の研究集会に積極的に参加して研究発表および情報収集を行う.
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Causes of Carryover |
体調不良のため予定していた出張を取り止めた.依然として通院中ではあるが,国内出張には差し支えない程度には回復している.また,海外出張については,研究協力者の亀山・古賀に協力を仰ぐ.前年度の未使用分も含めて計画通りに旅費を使用する.
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