2017 Fiscal Year Research-status Report
Stratifications of the moduli space of abelian varieties and that of curves
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17K05196
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原下 秀士 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (70396852)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代数幾何学 / 代数曲線 / 超特別曲線 / 最大曲線 / p-可除群 / Newton polygon |
Outline of Annual Research Achievements |
九州大学の工藤桃成氏(2018年4月より神戸市立工業高等専門学校助教)との共同研究により、種数4の比較的小さな有限体上の超特別曲線の同型類の数え上げについて研究を行った:非超楕円の場合は標数が11以下で、超楕円の時は標数が19以下で結果(内、一番大きな標数の場合は素体上の数え上げのみ)を得ることが出来た。また、種数5のtrigonal曲線についても、trigonal曲線の実現、超特別性の判定法を整備した後、計算機代数システムMAGMAによる実装により、標数が13以下で、超特別曲線の同型類の数え上げ(一部は素体上の数え上げ)に成功した(2018年4月にarXivへの投稿を行った)。また、工藤氏、本研究室に所属する千田駿人氏との共同研究で上記の結果で得られた種数4標数11の非超楕円的超特別曲線について、その自己同型群の決定も行った。 また、本研究室に所属する樋口伸宏氏と、偏極なしの場合の central streams の配置について、Oortの予想の一部となる結果の別証明を与えた論文が、2018年3月にYokohama Mathematical Journal(査読有)に掲載が決定した。証明は、極小p-可除群の特殊化および変形空間の考察によるものであった。 単著の論文としては、Newton polygons の数え上げ(高さについての漸近公式)を与えることに成功し、arXivへの投稿および学術雑誌への投稿を行った。解析数論や中心極限定理周辺の確率論的な手法を用いた証明になっており、個人的に新しい分野への参入を行うことが出来たと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
工藤氏との共著論文として超特別曲線の数え上げについての論文3本、工藤氏・千田氏と超特別曲線の自己同型群についての論文1本を新たに執筆した。また、樋口氏との論文の学術雑誌への掲載が決まった。単著でも、解析数論や確率論的な手法を用いた、私としては新しい分野での仕事を行うことが出来た。以上により、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
工藤氏とは、超特別曲線の数え上げの研究を更に続けて行く。千田氏も交え超特別曲線の自己同型群の研究も併せて行う。また、超特別曲線のまわりの変形空間を調べるなどして、曲線のモジュライ空間における階層構造の研究につながる仕事へと拡張してゆきたい。私の研究室では曲線の族について系統的に研究を行っており、上記で扱った曲線の以外のタイプのものについても今後研究を進めていく予定である。 樋口氏は極小p-可除群の特殊化について研究を進展させており、その研究を踏まえ、長年の研究課題である、central leaves の境界の研究を進展させてゆきたい。 単著の仕事としては Newton polygons の漸近公式について、2変数版(高さと次元のパラメータをもつもの)の完成を急ぎたい。
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Causes of Carryover |
高性能のPCを購入する計画を立てていたが、2017年度は超楕円曲線等の比較的重い計算を必要としないものを扱ったため、高性能のPCを購入を次年度に延期し、より良いPCの購入をした方がよいという判断を行った。2018年度には、より重い計算が必要になってくるため、高性能のPCを購入する予定である。
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Research Products
(5 results)