2023 Fiscal Year Annual Research Report
q-Riemann Hilbert correspondence nad related topics
Project/Area Number |
17K05199
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
伊藤 公毅 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 特任准教授 (30456842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | q差分加群 / リーマン・ヒルベルト対応 / ドラーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、リーマン・ヒルベルト対応のq類似とその周辺を明らかにすることであった. 最終年度において、リーマン・ヒルベルト対応のq類似について、その一つのあり方を見出した:最終年度に代数的ホロノミックq差分加群の定義を得た. それ以前には解析的q差分加群とそこにはたらくドラーム函手の定義を得ていた. 以上を併せると、リーマン・ヒルベルト対応のq類似とは、代数的ホロノミックq差分加群に対しその解析化にドラーム函手をはたらかせること、で得られる、というのが本研究で得られた知見である. 特に中心的な役割を果たすq差分加群として、接続のq類似である有理型q接続の定義も整理した. ドラーム函手をはたらかせた結果得られる対象の一つの実現は、(q差分加群が有理型q接続の場合)青本氏によるq差分ドラーム複体となることもわかる. 一方で, ドラーム函手で得られる対象はC_q加群(擬定数のなす環上の加群)(の複体)でも実現される. ドラーム複体とC_q加群(の複体)のそれぞれからコホモロジーが得られるが、それらが互いに同型(たとえばチェック・ドラーム同型)になるというのは、本研究により整備された一般論から従うことになる. (この射を記述するものとしてq超幾何積分が現れることは青本氏が指摘していたことである.) サイクルのホモロジーのq類似ついても得ることができた. さらに、q差分のみならず一般の差分を含む形での定式化も(可能な範囲で)構築した. 特に、通常の差分についてのドラーム・コホモロジーを定式化し、チェック・ドラーム同型の記述として、メラン・バーンズ積分が得られる.
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