2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05202
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
馬場 良始 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10201724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 寿俊 沖縄工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20225337)
倉富 要輔 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60370045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 代数学 / アルチン環 / 原田環 / 中山環 / QF環 |
Outline of Annual Research Achievements |
片側原田環の研究は、実質的には1979年頃から盛んに行われ、研究代表者と大城紀代市山口大学名誉教授共著のレクチャノート"Classical artinian rings and related topics", World Scientific Publishing (2009) にその成果が収められている。原田環は、中山環やQF環といった古典的アルチン環の一般化であり、中山環やQF環が、原田環の視点から再考察されるという重要性も合わせもっている。 しかし、片側原田環のめざましい研究成果に比べ、両側原田環の研究は、その複雑さのため、長らく手つかずのままであり、本研究によりその特徴付けが開始されたところである。研究は、右原田環と左原田環の構造の連結に有用な、co-H-sequence による片側原田環の定義の同値条件を用い、原始べき等元の完全集合を右原田環で表現したとき、左原田環の構造がどのように表されるかに注目し研究が行われた。その結果、今年度は、weak co-H-sequence という概念の導入により、右 weak co-H-sequences の集合と左 weak co-H-sequences の集合の間に2つの1対1対応があり、1つ目の1対1対応により、左側構造のべき等元が右側構造によるべき等元の逆順になることが、そして2つ目の1対1対応により、i-pair の位置が表現されるという画期的な定理の発見があった。これは、この分野の研究の1つのブレイク・スルーであると考えている。現在、その結果を基に、片側原田環と同様の両側原田環の構造定理を構築している最中であり、その結果を夏頃には論文にまとめて投稿し、さらに秋の日本数学会で発表したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたとおり、ブレイク・スルーとなる定理の発見があり、この夏の投稿を目指して研究を進めている。定理の発見により、構造定理の見通しが立ったため、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
とにかく、最終的な両側原田環構造のイメージを元に、構造を分かりやすく表現する方法の探求に専念したい。
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Research Products
(4 results)