2018 Fiscal Year Research-status Report
Elliptic surfaces and the topology of plane curves
Project/Area Number |
17K05205
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
徳永 浩雄 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (30211395)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ザリスキ対 / 楕円曲面 / quasi torus分解 / Mumford表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,論文[1] Elliptic surfaces and contact conics for a 3-nodal quartic, Hokkaido Math. J., 47 (2018), 223-244 を出版した(Khulan Tumenbayarと共著).昨年に引き続き低次の曲線配置のトポロジーについて様々な視点から研究を行った.具体的には,1.非特異平面3次曲線と直線およびnodalな既約3次曲線と直線,2.非特異平面4次曲線とその2重接線,3.平面6次曲線の(2, 3, 6) quasi-torus分解について研究をおこなった.1, 2については,昨年からつづいている2次被覆の数論という視点からの研究である.以下各項目について少し詳しく述べる. 1については,3次曲線と4本の接線からなる直線配置の埋め込み位相について有理楕円曲面の幾何学を利用して研究し,ザリスキ対の例を与えた.この例では,変曲点における接線を含まない点が従来の例とことなっている.この研究は2017年度から続いているもので, 博士後期課程の学生および坂内真三との共同研究である.その成果2018年にHokkaido Math. Jに受理されている. 2については,2重接線が3本の場合にはZariski対の例を,2重接線が4本の場合は,Zariski 3つ組の例をあ与えている.構成においては,有理楕円曲面の幾何をもちいるとともに,白根竹人によって定式化された連結数を利用している点が従来に比較して新しい.この研究は博士後期課程の学生および坂内真三との共同研究であり,Hiroshima Math. Jにより受理されている. 3については,超楕円曲線の因子のMumford表現を用いて次数0の因子群の演算を書き下すものであり,現在進行中の研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は,.1本の査読付き論文を出版し,査読付き雑誌から受理された論文が2本あった.また,その他にpreprint 2本を執筆した.本課題のテーマである楕円曲面上のAbel-Jacobi写像については,より種数の高い超楕円曲線上の因子に関するMumford表現を利用して,曲線のquasi-torus曲線に関する成果を得つつある.また,昨年から進めている2次被覆の数論の視点からの研究では,白根竹人により定義された分解数,連結数の概念を取り入れ成果を得た.これらの成果については,論文として出版が決まったもの,現在準備中のものがある.こうした点を考慮すると研究は概ね順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は以下の二つのテーマについて研究を進めたい.
1.曲線の連結数,分解数という2次被覆の数論,さらには,より一般化した巡回被覆の数論という視点からの研究を進める予定である.この研究は,現在,坂内真三,白根竹人,E. Artal Bartoloらとの共同研究である.なお,この研究では対象となる曲線の構成において楕円曲線,楕円曲面の幾何学が果たす役割が大きいと思われる.
2.超楕円曲線の因子に関するMumford表現の応用についても研究をすすめる.この研究は内田幸寛と共同して研究をすすめる予定である.
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Causes of Carryover |
勤務先の業務などの状況の変化により,計画していた海外および国内の出張ができなかったことによる.今年度は国内外の出張をより積極的に行うとともに,国内外の共同研究者への出張依頼を増やすことで対応したい.
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