2019 Fiscal Year Research-status Report
Elliptic surfaces and the topology of plane curves
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17K05205
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
徳永 浩雄 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (30211395)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Zariski N 組 / 楕円曲線 / 楕円曲面 / Mordell-Weil格子 / 連結数 / 分解数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,2本の論文 A note on the topology of arrangements for a smooth plane quartic and its bitangent lines,(坂内真三,山本桃果と共著),Zariski N-ples for a smooth cubic and its tangent lines,(坂内真三と共著)を査読付き学術誌に出版した.他には,2本のプレプリント 1. Torsion divisors of plane curves and Zariski pairs, arXiv:1910.06490 (Enrique Artal Bartolo, 坂内真三,白根竹人と共著), 2. Elliptic surfaces of rank one and the topology of cubic-line arrangements (坂内真三と共著,これは,2019年度のプレプリントの大幅な修正版)を執筆した.さらに他にも2本論文を執筆中である(執筆予定のものもある).出版された論文については,各種セミナーや研究集会で発表した. 出版した論文2本は,非特異曲線(次数は3次,4次)とその複数本の接線の配置に関するZariski N 組の構成である.前者は楕円曲面のMordell-Weil格子のminimal ベクトルの性質,連結数と部分配置の数え上げ,後者は楕円曲線の群構造,分解数と部分配置の数え上げを用いたものである.後者のアイデアは,その後に続くプレプリント 1の成果へとつながっている.プレプリント 2はAbel-Jacobi写像の幾何学的研究と言えるものである.Abel-Jacobi写像の幾何学的研究はこれまであまりおこなれおらず,さらに暗号理論で利用されている因子のMumford表現関連があり,これからの発展が見込まれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は,本課題に関連して, 2本の論文を出版した.また,プレプリントを2本(一本は昨年度のプレプリントの大幅な修正)執筆した.さらに,プレプリントを複数執筆中(もしくは執筆予定)である.これらの成果について一部は国内外のセミナーを通して発表している.こうした状況から研究自体は予定以上に順調に進展していると判断できる.しかしながら,研究代表者の勤務校での管理業務など研究業務以外の業務などの増加により,当初予定していたような共同研究者を訪問してのセミナー等については,十分にはできなかった.さらに,2020年2月中ば以降に発生した新型コロナウイルスの流行により,予定していた研究発表や,海外の研究協力者を招いてのセミナーについては中止とせざるを得なかった.これらの状況を総合すると本研究課題は「概ね順調に進展している」という判断が妥当であると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,研究課題に関する論文執筆などから,当初の予定より進展していると判断できるのは上述の通りである.しかしながら,研究代表者の研究業務以外での多忙に加え,国内・海外の研究協力者の多忙のため,お互いを訪問してのセミナーは当初の予定通りには行えなかった.これに加え,2020年に入って始まった新型コロナウイルスの流行に2019年度末に行う予定であった研究集会の開催,セミナー,そこでの発表は全てキャンセルとなった.この状況がどうなるかは,本報告書を作成している現時点では,見えない状況である.そこで,本年度は,昨年度から続いている研究については,webを積極的に活用して進めたいと考えている.そのため,環境整備のための,コンピュータ,タブレット等の機材の更新を視野に入れつつ進める.もちろん,状況が好転し,先方を訪問してのセミナーの開催などが可能になれば,セミナーを開催し,討論や,論文執筆の作業を進める.
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Causes of Carryover |
研究代表者,国内外の研究協力者の慢性的な多忙により,予定していた訪問してのセミナーのが行えなかったことに加え,2020年2月から始まった新型コロナウイルスの流行のため,計画していた研究集会(およびそれに伴うセミナー)や,研究発表がキャンセルなった.これに伴い,集会や学会への参加するための旅費が繰越になった.補助期間延長期間には状況に応じてコンピュータ,タブレットを購入し,webを用いた討論により研究推進をはかるが,状況が好転すれば互いに訪問しての討論も考慮する.
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Research Products
(7 results)