2017 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of polynomials which satisfy local functional equations
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17K05209
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
小木曽 岳義 城西大学, 理学部, 教授 (20282296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | homaloidal polynomials / 概均質ベクトル空間 / 局所関数等式 / polarization / Clifford quartic forms |
Outline of Annual Research Achievements |
局所関数等式を満たす多項式のペアの特徴づけを目標に研究をしている。正則概均質ベクトル空間の相対不変式と, その双対空間の相対不変式のペアが局所関数等式を満たすことは知られているが, 最近になって概均質ベクトル空間の相対不変式でなくても局所関数等式を満たす多項式が得られており, 概均質型、非概均質型双方を含む場合の局所関数等式を満たす多項式のペアの特徴づけが必要となった. この課題に取り組むために, 平成29年度は以下の2方向から研究に取り組んだ. 一つは, あまりよく知られていない非概均質型多項式で局所関数等式を満たすものをたくさん見つけ, 従来知られている概均質型も含めて, そこになにか共通の性質が存在しないかを考察する方向. もう一つはすでに知られている局所関数等式から新しい局所関数等式を作る方向である. 平成29年度の研究では, 後者の研究を佐藤文広氏と進め, ある程度の研究成果が出たので, 論文を執筆しKyushu Journal of mathematicsに投稿し, 受理された. 具体的内容は, 局所関数等式を満たすような多項式のペアに対して, 「極化」という操作を行い, 新しい多項式のペアをそこから作り, それらの多項式のペアもまた局所関数等式を満たすことを証明した. また, この「多項式の極化」という操作が, 「問題①: 概均質性を保つのか?」「問題②: 非概均質性を保つのか」という2つの問題について, 問題①については正しいことを証明した. 問題②についてはまだ未解決問題であるが, 2009年に佐藤文広氏と私とで導入した非概均質型で局所関数等式を満たすClifford quartic polynomialのペアは非概均質性を極化の操作を繰り返しても依然非概均質型であることを証明し, その明示的局所関数等式も与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
局所関数等式を満たす多項式のペアを特徴づける研究を「上記の研究実績の状況」であげた2方向からアプローチして、少なくとも一方向、すなわち既知の局所関数等式を満たす多項式のペアから新しい局所関数等式を満たす多項式を作る方法については研究成果が得られ論文にまとめることが出来た。またその結果から、homaloidal多項式と呼ばれる代数幾何学に現れる多項式との深い関係が見えてきて、今後の新たな研究の方向性が見えてきた。また別方向からのアプローチとして、裏返し変換による局所関数関数等式の研究を用いるものがある。こちらの研究では局所関数等式のreduced typeを種として伸びるtreeのMarkov型と呼ばれるsubtreeが結び目理論と対応することに気が付き、その方向からのアプローチも並行して行ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究成果である, 極化によって既知の関数等式から新しい局所関数等式を導き出す研究を踏まえて、この研究を以下の方向で発展させてゆく. 既知の局所関数等式から新しい局所関数等式を得る他の方法として, (i)局所関数等式の裏返し変換、(ii)局所関数等式の2次写像による引き戻し, (iii)複数の局所関数等式の張り合わせ、などの方法があるが, これらとの極化による局所関数等式との相互関係や統一的にまとめる研究などを今後推進させる. また, (i)の研究の関係で得られた結び目理論との関連についても並行して研究を進めていく. これはA型Cluster代数とも関連して, いろいろな方向からのアプローチが期待できる. またFranceのKoufany教授との共同研究でbidifferential operatorと局所関数等式の研究を2018年から始めているが, いくつか具体的計算から予想されている現象があり、それらを証明して解明してゆく.
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Causes of Carryover |
2018年の3月、6月の2回に渡りFranceのInstitute Elie Cartan de LorraineのKoufany教授との共同研究を行う計画があり、特に3月の共同研究のための渡航が3月末日までであり、事務処理が年度末では追い付かず、この海外出張分の経費は次年度に処理する必要があったため、平成29年度の一部を平成30年度に繰り越す必要が生じた。また平成30年度の配分額が生成29年度に比べ減額されるため、平成29年度の配分から平成30年度に栗必要もあった。
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Remarks |
Title: Local functional equations of homaloidal polynomials Date:Mardi 27 mars 2018 16h15 - 17h15 Place: Salle de conférences - Nancy
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Research Products
(12 results)