2020 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of polynomials which satisfy local functional equations
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17K05209
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
小木曽 岳義 城西大学, 理学部, 教授 (20282296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 局所関数等式 / homaloidal多項式 / 極化 / 乗法的Legendre変換 / 概均質ベクトル空間 / Clifford quartic form / SubHankel行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所関数等式を満たす多項式のペアを系統的に構成する研究において, 立教大学の佐藤文広氏と局所関数等式が, 多項式に極化という操作を加えても成立し, その局所関数等式に現れるガンマ因子の明示公式も与えた. またこの研究において, 局所関数等式を満たす多項式が概均質型であればその極化も概均質型で, それが繰り返し成立することも示した.逆に局所関数等式が非概均質型である場合, その極化が再び非概均質型になるということは示されておらず, それを明らかにすることが今後の課題であるが, 2008年から2016年の間に佐藤文広氏と研究したClifford quartic formというClifford algebraの表現から得られる4次形式 は非概均質型の局所関数等式を満たす多項式であるが, このClifford qurtic formに限定した場合は, Clifford quartic formに何回極化をしてもその多項式は非概均質型であり, 局所関数等式を満たすことを示した.Clifford quartic fromはKazhdanが予想した「4次以上の多項式においても, その多項式の乗法的Legendre変換が多項式になるのは概均質的多項式だけでだろう」という予想の反例になっている大変重要な多項式である.このClifford quartic fromの研究という観点からも上記の考察は意味がある.さらにこの研究において, 2014年から2016年にかけて伊師英之氏と研究したSubHankel行列のb-関数(伊師と小木曽により予想したb-関数に形は中島秀斗氏によって正しいと示された)の形と極化のb-関数の形が実によく似ており,それについて未解決問題であり, それを解決することは今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでの研究進捗状況については, 佐藤文広氏との共同研究で, 既知の局所関数等式から新たな局所関数等式を作るという研究目標のうち, homaloidal多項式の極化もhomaloidalであり,それが満たす局所関数等式のガンマ因子の明示公式を与え, 元の多項式が概均質型であれば極化も概均質型であることも示した。 一方, 非概均質型であるようなhomaloidal多項式一般については, その極化が非概均質型になるかどうかは分かっておらず,今後の課題であるが, 非概均質型多項式の一つであり, 保形形式への応用も考えられているClifford quartic formについては極化について非概均質性を保つことを示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
局所関数等式を満たす多項式の極化も局所関数等式を満たすことを佐藤文広氏との共同研究で示し, 概均質型の極化も概均質型になることをしましたが, 非概均質型のhomaloidal多項式の極化が非概均質型であることはClifford quartic formに限定してのみ示している.今後の課題としては,一般にこのことを示すか反例を見つけることであるが, その方策のひとつとしては, 極化された多項式のb-関数とsubHankel行列式が大変よく似ている. subHankel行列式は射影多様体から得られるので, 射影多様体の理論からアプローチすることを考える.また伊師英之氏や中島秀斗氏と共に等質錐に関連したhjomaloidal多項式の研究をおこなっているが, 等質錐の理論やJordan代数の理論からのアプローチもおこなう.
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Causes of Carryover |
2019年度、2020年度と城西大学理学部数学科学科主任をしていたことと2020年度はCOVID-19の影響で国内外の研究出張に制限が付いたため.
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