2020 Fiscal Year Research-status Report
曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何とトポロジー
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17K05225
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
高山 晴子 城西大学, 理学部, 教授 (90274430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 錐状特異点 / ユークリッド構造 / 測地的グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何とトポロジーについての研究を引き続き行なった。曲面が錐状特異点付きユークリッド構造を許容するとき、その錐状特異点の個数と錐角はガウスボンネの定理により制御される。したがって、一般に曲面の位相型と錐状特異点の個数を決めると錐角の空間の次元dが定まり、それはd-単体となる。曲面の錐状特異点付きユークリッド構造が、錐角を変形に伴って変形するかという問題について、曲面の種数が0で錐状特異点の数が5、6の場合には、d-単体である錐角の空間から曲面の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間への写像が、d-単体上のある部分空間上に制限した場合に単射であることを以前に示した。 当該年度は、この錐角の空間であるd-単体を自然に確率単体と見なしたときに付随する幾何構造としてFisher計量によるリーマン計量を考えたとき、錐角空間のある部分空間から曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間への上記で与えられた写像が等長的となるような曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間あるいはその普遍被覆空間であるタイヒミュラー空間の幾何構造の解明、およびタイヒミュラー空間上のよく知られた計量であるタイヒミュラー距離、Weol-Peterson計量の場合の計量比較について考察した。特に、Fillastre-Seppiによる曲面の多角形分割に付随するウェイト付き測地的グラフによるWeol-Peterson計量との関連についての考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症拡大防止のために海外渡航および国内移動も制限されたため、予定していた国内外の研究者との研究打ち合わせ等のための国内外出張および招聘等ができず、また本務校におけるオンライン授業対応等の負担が大きく、予定していた計画の達成が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後コロナ感染症が落ち着くまでは国内外出張も難しいと思われるが、オンライン等で行う研究会も増えたことから、徐々に元の研究活動のスケジュールに戻せる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染防止のために、予定していたフランスからの海外研究者招聘が再び中止になったため、招聘に関わる経費の使用ができなかった。次年度に新型コロナ感染の世界的状況が落ち着いた場合には、海外研究者との研究打ち合わせ呼び交流として、招聘および海外渡航として使用する。
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