2021 Fiscal Year Research-status Report
曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何とトポロジー
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17K05225
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
高山 晴子 城西大学, 理学部, 教授 (90274430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 錐状特異点 / ユークリッド構造 / AdS空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何とトポロジーについての研究を引き続き行なった。曲面の錐状特異点の個数と各特異点に付随する錐角はガウスボンネの定理により制御されるが、特異点の個数を固定すると錐角の空間は単体となる。曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何構造は、曲面の面積によって与えられる2次形式によって定められるが、この面積形式の符号は錐角の組みが満たすある不等式系によって定まる。すなわち、錐角の空間である単体の超平面よる分割があり、分割されてできる各セル内の錐角をもつ曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の面積形式の符号は一定である。また各セルは対応する面積形式が定める曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何構造の変形パラメータを与えている。 当該年度は、錐角単体を確率単体と見なして得られるFinsler計量と、錐角が定める錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間の幾何構造の変形との間の関係を考察した。また、特に面積形式の符号が(2,2)となる場合には、対応する面積形式が定める曲面上の錐状特異点付きユークリッド構造のモジュライ空間は、近年注目されているAnti-de Sitter空間の例を与えることから、Anti-de Sitter空間がLorenz計量から決まる双曲空間の類似であることを鑑み、双曲空間の場合と同様にAnti-de Sitter幾何にも期待される変形についての考察を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症拡大防止の観点から2021年度に引き続き国内移動及び国外移動の予定が大幅に制限されたため、国内外の研究者との研究打ち合わせ等のための国内外出張および外国人研究者の招聘ができず予定された計画の遂行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
対面での研究会等は大幅に減ったものの、オンライン研究会も普及してきており、国内外の研究者との研究連絡が可能になってきたため、元のスケジュールに戻す予定である。
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Causes of Carryover |
研究連絡として行う予定だった国内外の出張を行うことができなかったため次年度使用額が生じた。次年度は徐々に国内移動や海外渡航も可能になってくれば国内旅費および海外渡航費として使用予定である。
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