2023 Fiscal Year Annual Research Report
Lagrangian mean curvature flow and symplectic geometry
Project/Area Number |
17K05231
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
今野 宏 明治大学, 理工学部, 専任教授 (20254138)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ラグランジュ部分多様体 / 平均曲率流 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンプレクティック多様体の重要な性質の多くは、そのラグランジュ部分多様体の性質として記述され、ミラー対称性との関りで、ラグランジュ部分多様体のなす深谷圏の研究がめざましい進歩をとげている。一方で、これらに関連したラグランジュ部分多様体の微分幾何的側面の研究はあまり進んでおらず、これから発展する分野と考え、本研究課題の研究テーマとした。2001年にThomas-Yauはラグランジュ部分多様体の安定性とラグランジュ平均曲率流の解の存在、収束性の関係について、ある予想を提案し、いくつかの重要な結果を経て、2014年にJoyceにより、Thomas-Yau予想のより正確な定式化が与えられた。これが本研究課題の動機となった。本研究課題の出発点は、シンプレクティック多様体へのアーベルリー群のハミルトン作用で、その軌道と直交する特殊ラグランジュ部分多様体があるとき、モーメント写像を用いたラグランジュ平均曲率流の解の具体的な構成が代表者により得られたことであった。その後、Lotay-Oliveiraはある4次元ALEハイパーケーラー多様体などのU(1)不変なラグランジュ部分多様体の同変安定性とラグランジュ平均曲率流の解の存在、収束性の関係を解明した。ミラー多様体におけるこの対応物は変形ヤンミルズ接続へのフローであるが、4次元ALEハイパーケーラー多様体において、ラグランジュ部分多様体の同変安定性と、そのミラーと期待される変形エルミートアインシュタイン続に関する安定性についての関係を探ることを試みたが、4次元ALEハイパーケーラー多様体の双対特殊ラグランジュトーラスファイブレーションを用いたミラーの構成を拡張することが必要であるとの考えに至り、その拡張を検討している。また、delPezzo曲面のなめらかな反標準束因子の補集合に対しても関連する考察を行っているが、決定的な結果に至っていない。
|