2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K05235
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
澤井 洋 沼津工業高等専門学校, 教養科, 准教授 (70550482)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 可解多様体 / 局所共形ケーラー構造 / Vaisman 構造 / 複素構造 / ケーラー構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 可解多様体における局所共形ケーラー構造について, 以下の成果が得られた: (1) 局所共形ケーラー構造における特別な型として, Vaisman 構造がある. 昨年度の結果を用いて, 実トーラス上の実トラース束の構造をもつ可解多様体は, Vaisman 構造をもたないことを示した. (2) Vaisman 構造をもつ可解多様体から, ケーラー構造をもつ可解多様体を誘導した. 即ち, これは複素トーラス上の複素トーラス束の構造をもち, これによって, Vaisman 構造をもつ可解多様体の極大べき零多様体は Heisenberg リー群から構成されることを示した. 成果(1) の意義と重要性は, 局所共形ケーラー構造をもつ井上曲面や O-T 多様体が Vaisman 構造をもたないことがわかることである. よって, 可解多様体における局所共形ケーラー構造は, Vaisman 構造と非 Vaisman 構造によって, 全く異なるものであることを示唆している. また, 糟谷氏 ('13) は, ファイバーと底空間の次元に関する条件を課すことによって同様の結果を得ているが, そのような仮定は必要なく, これはその拡張である. 成果(2) の意義と重要性は, Vaisman 構造をもつ完全な可解多様体(リー群の随伴表現にある条件を満たす可解多様体)は Kodaira-Thurston 多様体に限るが, 一般の可解多様体の場合, これの他に存在することを示唆していることである. また, 成果 (2) によって, この Vaisman 構造をもつ完全可解多様体の構造定理は容易に証明することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Vaisman 可解多様体が明らかになりつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
可解多様体における局所共形ケーラー構造について研究する. まずは, Vaisman 可解多様体の構造を解明する. そして, 局所共形ケーラー構造をもつ低次元の可解多様体を分類し, その構造を予想し, 証明する.
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Causes of Carryover |
当該年度は旅費を優先し, 物品購入を控えた. 本年度は, これも優先する.
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