2022 Fiscal Year Annual Research Report
The asymptotic behavior of the Reidemeister torsion for degenerate hyperbolic structures
Project/Area Number |
17K05240
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山口 祥司 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30534044)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幾何構造 / 基本群の表現 / 双曲多様体 / ザイフェルト多様体 / 力学系 / ゼータ関数 / 漸近挙動 / ライデマイスタートーション |
Outline of Annual Research Achievements |
多様体の幾何構造の変化が三次元多様体のライデマイスタートーションの漸近挙動に及ぼす影響と調べるため、三次元多様体の基本群から特殊線形群SL(2;C)への準同型写像の集合を幾何構造の変化を表すパラメータ集合とみなして考察した。とくに双曲結び目の外部空間が与える双曲三次元多様体に着目し、双曲構造の変形を表すパラメータとして基本群から特殊線形群SL(2;C)への準同型写像の列を考察した。しかしながら、双曲結び目の外部空間における基本群からSL(2;C)への準同型写像の列にともなう基本群の準同型写像の変化が与えるライデマイスタートーションの漸近挙動への影響を具体的に記述するところまでは進まなかった。 本研究課題では、双曲三次元多様体において基本群からSL(2;C)への準同型写像を双曲構造の変形パラメータとみなし、双曲構造の変化が基本群の準同型写像から定まるライデマイスタートーションの漸近挙動に与える影響を考察することを目標としていた。双曲三次元多様体の双曲構造はザイフェルト多様体の幾何構造に退化することがあり、双曲構造の変化が与えるライデマイスタートーションの値への影響を考察するためにはザイフェルト多様体に関するライデマイスタートーションの漸近挙動を力学系のゼータ関数を利用して記述する必要があった。本研究では、錐特異点をもつ曲面の単位接束とみなせるザイフェルト多様体においてライデマイスタートーションの漸近挙動を力学系のゼータ関数を利用して記述することに成功し、錐特異点をもつ曲面の面積がライデマイスタートーションの漸近挙動に現れる現象を解析的な手法で明らかにすることができた。ザイフェルト多様体におけるライデマイスタートーションの漸近挙動を力学系のゼータ関数を利用して考察した成果をまとめた論文は学術雑誌から出版できている。
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Research Products
(1 results)