2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05247
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森吉 仁志 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (00239708)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 指数定理 / 非可換幾何 / シンプレクティック同相群 / K理論 / 巡回コホモロジー / 等質中心アファイン平面曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は本来は最終年度であったので,「指数定理の導出」および「具体例への適用」という目的を達成する予定であったが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により研究の進捗が遅れており,現段階までに得られた成果は以下のとおりである. 指数定理を離散化するという方針のもとに推進した,Ginsparg-Wilson 指数が関与する指数定理(夏目利一との共同研究)および多面体に対する Gauss-Bonnet 定理と Alexander-Spanier コホモロジーに関する研究について,まず第一の研究については Fuzzy sphere 上の指数定理を含む具体例への適用が可能となり,2次元球面のポアソン構造から誘導される巡回コサイクルを用いた記述を完成させることができた.また第二の研究である離散化に関連しては,多面体に対する Gauss-Bonnet 定理の高次元化や Alexander-Spanwoier コホモロジーとの関連性が明確となった.また第二の研究に関連して,有界コサイクルが関与するリーマン面上の指数定理に関しても一定の成果を得た.さらに第三の研究である Godbillon-Vey 葉層特性類,あるいはそのファイバー積分である Bott-Virasoro 類に関連して,等質中心アファイン平面曲線のなす空間の研究(2018年度後半に開始した黒瀬俊および藤岡敦との共同研究)において,この空間にシンプレクティック作用する単位円周の微分同相群の役割が明確となり,作用に対する運動量写像を明確に構成し,Bott-Virasoro群との関連を明らかにすることが可能となった. これらの成果を,招待講演として以下の国際研究集会 1) Workshop on Non-commutative Geometry and Symplectic Geometry, Sichuan University, Chengdu, China, June, 25, 2019; 2) International Workshop on Geometry of Foliated Spaces, BKC Campus, Ritsumeikan University, Kusatsu, JAPAN, November 29, 2019 において報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は「非可換幾何学の枠組による指数定理の拡張」および「葉層多様体や微分同相群が関与する指数定理の展開」を目標とし,指数定理の一般化と微分位相幾何への応用を目指している.2019年度は研究計画の最終段階に進み,「指数定理の導出」および「具体例への適用」を完遂する予定であった.2019年度は本来は最終年度であったので,「指数定理の導出」および「具体例への適用」という目的を達成する予定であった.しかしながら,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により,2020年2月および3月に計画していた研究集会における講演,論文発表のための研究連絡を延期せざるを得ず,これらの計画遂行のために科研費補助事業期間延長を申請し,研究最終年度を2020年度まで延長した.現在のところ完成直前まで進行している等質中心アファイン平面曲線のなす空間の研究(2018年度後半に開始した黒瀬俊および藤岡敦との共同研究)に関しては,この空間にシンプレクティック作用する単位円周の微分同相群の役割が明確となり,作用に対する運動量写像を発見して,Bott-Virasoro群との関連が明らかになった.この共同研究は完成直前まで進行しており,今年度には一定の成果に到達できる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により研究を完成させることができず,研究最終年度を2020年度まで延長した.2020年度には「指数定理の導出」および「具体例への適用」という研究目的を完成する.まず,等質中心アファイン平面曲線のなす空間の研究(黒瀬俊および藤岡敦との共同研究)に関して,両氏との研究連絡を密に行って,論文を完成させる.さらに2017年度に研究を開始した Ginsparg-Wilson 指数定理(夏目利一との共同研究)についても,研究連絡を密に行って,2次元球面のポアソン構造から誘導される巡回コサイクルを用いた記述を含む最終結果に到達する.また離散化に関連し多研究についても,これまでに得られた結果を整理して,一定の成果報告を行うことを目標とする.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により,2020年2月および3月に計画していた研究集会における講演,論文発表のための研究連絡を延期せざるを得ず,これらの計画遂行のために科研費補助事業期間延長を申請し,研究最終年度を2020年度まで延長したため.研究集会が再度計画された場合の旅費,また継続している共同研究を完成させるための研究連絡に充当する予定である.
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