2020 Fiscal Year Research-status Report
Chern-Simons perturbation theory and its application to topology
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17K05252
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
渡邉 忠之 島根大学, 学術研究院理工学系, 講師 (70467447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 微分同相 / クラスパー / 配置空間積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度も引き続き、4次元多様体の微分同相群のホモトピー群に関する研究を進めた。特に、ある種の4次元多様体に対して、非自明な微分同相のアイソトピー類を見つけることを目指した。令和元年度は、アサイクリックな局所系を持つ(あるいはねじれ係数ホモロジーが自明な)3次元多様体と円周の直積等、Kontsevich特性類が3次元多様体の摂動的不変量と同様の方法で定義できるような4次元多様体に関して研究していたが、令和2年度は同じ方法がそのまま適用できないような4次元多様体、例えば3次元球面と円周の直積に対して、非自明な微分同相のアイソトピー類が存在することを示すことができた。その証明において、葉廣和夫氏のクラスパー理論の、4次元における類似を適用して巧みに変形を行ったことが鍵となった。最近、3次元球面と円周の直積に対しては、同様の結果がRyan BudneyとDavid Gabaiによって埋め込み解析を用いた代数的方法により独立に得られたという報告もされている。我々の方法は、BudneyとGabaiのそれ以前の結果を使っているが、非自明な元をdetectする部分における議論は3次元多様体の有限型不変量で利用された方法の類似からくるものであり、その意味で「初等的」であると考えられるし、そこで用いた配置空間積分の方法は、多様体の円板オペラッドによる微分同相群の近似等の方法にも近いと考えられる。また、当初の研究目的の一つである3次元多様体の有限型不変量の構造の決定のためにも、以上の方法を3次元で考え直してみることも有益だと考えられる。今後は、これまでに発表されているいくつかの方法の間の関係を明確にすることにより、現状とこれからの可能性についてよりよく理解することが重要ではないかと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元多様体から4次元多様体の微分同相に軸足を移していたが、それを進めるうちに当初の研究目的に関わる3次元の場合を進展させる可能性も見えてきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に得られた結果をまとめる。 3次元多様体の有限型不変量の研究も推進する。
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Causes of Carryover |
感染症流行のため、予定されていたほとんどの集会および出張がキャンセルとなったため。 次年度は、状況が改善され可能となった出張について旅費を支出する。 オンラインの研究発表で必要になる設備(高解像度ウェブカメラやワイヤレスヘッドセット等)の購入にも使用する。
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Research Products
(6 results)