2019 Fiscal Year Research-status Report
多重分岐曲面の3次元多様体への埋め込み(グラフ理論と3次元多様体論の融合)
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17K05262
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
小沢 誠 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (50308160)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多重分岐曲面 / 3次元多様体 / ヒーガード分解 / 種数 / 埋め込み / 3次元球面 / グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
Kai Ishihara, Yuya Koda, Koya Shimokawa氏との共同研究『Neighborhood equivalence for multibranched surfaces in 3-manifolds』において、3次元多様体に埋め込まれた多重分岐曲面が近傍同値である為の必要十分条件が、IX及びXI変形とイソトピーで移り合うことであることを示した。この結果を受けて、多重分岐曲面の近傍同値類上で、半順序を定義することに成功した。また、多重分岐曲面がatoroidalかつacylindricalならば、その同値類は半順序に関して極小であることを示した。この研究は、論文『A partial order on multibranched surfaces in 3-manifolds』としてまとめ、Topology and its Appl. 272 (2020) 107074に掲載された。 Mario Eudave-Munoz氏との共同研究『On the genera of multibranched surfaces of (graphs)$\times S^1$』については、研究当初の目標設定を大きく拡張することができ、タイトルを『The maximum and minimum genus of a multibranched surface』と変更した。研究成果として、多重分岐曲面の最大種数と最小種数の下からの評価を、1次ベッチ数とその近傍の境界の最小種数と最大種数により与えた。その応用として、グラフGと円周の直積の最大種数と最小種数が、Gの最大種数と最小種数の2倍に等しいことを示した。これは、研究課題名のサブタイトルとした、グラフ理論と3次元多様体論の融合を与えたことになる。本研究は、arXiv:2005.06765に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の《今後の研究の推進方策》に記載した、半順序に関する極小元の決定については、完全ではないものの、極小である為の十分条件を与えることができた。 また、Mario Eudave-Munoz氏との共同研究『The maximum and minimum genus of a multibranched surface』に関して進展もあり、論文を投稿できた(2020年5月15日)。 一方、3次元球面に埋め込めない多重分岐曲面については、マイナーに関する極小元を決定して、クラトフスキーの定理の3次元への拡張を目標とすると昨年度の《今後の研究の推進方策》に記載したが、こちらについては一切進展がない。 以上の理由から、概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元球面に埋め込めない多重分岐曲面について、マイナーに関する極小元を決定して、クラトフスキーの定理の3次元への拡張を目標とする。 一方、3次元球面に埋め込める多重分岐曲面について、効果的な埋め込みの特徴付けをすることを目標とする。
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Causes of Carryover |
航空券代、ホテル代が予定より安く済んだ為。
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Research Products
(10 results)