2018 Fiscal Year Research-status Report
The Chow ring and cycle map of the classifying space of a linear algebraic group
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17K05263
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀子 正喜 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50270343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分類空間 / チャウ環 / サイクル写像 / コホモロジー / スチーンロッド代数 / モチービックコホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の実績は以下の通りである。 (1) 基本アーベル 2-群の分類空間のモチービックコホモロジーのモチービックスチーンロッド代数上の加群としての生成元について研究した。モチービック版のヒット問題を考えてこれを研究した。ヒット問題でピーターソン予想と呼ばれていた基本定理のモチービック版を研究し、ピーターソン予想のモチービック版が成り立たないことがわかったのでこの結果をまとめて論文 "On the motivic Peterson conjecture" を書いたがこれは学術雑誌 Homology, Homotopy and Applications で2018年7月に出版された。 (2) Gereon Quick の2018年にMathematische Zeitschriftで出版された論文"Examples of non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" は Atiyah と Hirzebruch の整数係数ホッジ予想の反例の構成の一般化である。この結果の non-torsion の場合に拡張して論文 "Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" を書きプレプリントサーバー arXiv にアップロードし学術雑誌に投稿しているがこれは2019年5月20日時点で審査中である。 (3) SL_3 の3つの直積の中心の部分群による商群の分類空間の mod 3 コホモロジーについての計算結果を口頭発表した他 SL_2 の直積の中心の部分群による商群の分類空間を用いて BPコホモロジーが transferred Euler class の積の一次結合で書けない有限群の例を与えることができるという結果等も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果が論文にまとまりそれが査読付き学術論文として受理、掲載されているという点で成果はあがっている。また新しい展開の着想が得られているという点では予想以上に進捗しているということができる。 (1) 論文 ”On the motivic Peterson conjecture“ が学術雑誌 Homology, Homotopy and Applications で出版された。 (2) 論文 "Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" をプレプ 当該研究の研究目標の一つとして特殊線型群の中心の部分群による商群の分類空間のチャウ環の計算をあげていたが Non-torsion non-algebraic classes の論文では特殊線型群の中心の部分群による商群の分類空間用いているという点で研究課題と近い新しい展開であるといえる。より具体的な研究目標として掲げていた SL_3 の2つの直積の位数3の中心の部分群による商群の分類空間については mod 3 コホモロジーの研鑽結果を口頭発表した。さらにいくつかの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
SL_2 の n 個の直積の中心は Z/2 の n 個の直積になる。論文 "Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" では対角的な部分群 Z/2 での商群について考えたがこれ以外の部分群による商群についても考察してゆきたい。より具体的には n-1 個の Z/2 の直積となる部分群による商群を考えれば、少なくとも n がある程度小さい場合には Spin(m) と同様な形の mod 2 コホモロジーが得られる。この商群の分類空間はBSpin(m) の Toy model としてそのコホモロジーの研究、とくに mod 2 コホモロジーが多項式環にならないような分類空間の自由ループ空間のコホモロジーの研究や分類空間の mod 2 コホモロジーでベキ零元を持つものやそのベキ零イデアルの研究に役立つものと期待される。
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Causes of Carryover |
大学運営に関する業務(学科主任等)に体力的、特に精神的に消耗し研究時間が十分に確保できなかった。特に出張して研究集会に参加し最新の研究動向について肌で感じることが数回しかできなかった。学科主任の任期は今年度で終わるので次年度は研究を進めることができるものと期待している。次年度使用額は主として研究集会等への参加、研究打ち合わせのための旅費として使用するが新しい分野への応用の可能性がひらけてきているのでこの方向への研究の展開のために資料等の購入(物品費)にも充てる予定である。成果発表(論文のオープンアクセス化等)のために使用する可能性もある。
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