2020 Fiscal Year Research-status Report
The Chow ring and cycle map of the classifying space of a linear algebraic group
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17K05263
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀子 正喜 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50270343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分類空間 / チャウ環 / サイクル写像 / コホモロジー / スチーンロッド代数 / モチービックコホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績の概要は以下の通り。 (1) 2020年10月に単著の査読付き論文 “Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" が学術雑誌 Mathematical Proceedings of Cambridge Mathematical Society に FirstView としてオンラインで出版された。Quick は Atiyah と Hirzebruch の整数係数ホッジ予想の反例の構成を Atiyah と Hirzebruch が用いた Z/p の 3 個の直積の代わりに Z/p の n 個の直積を用いてある種の高次化に成功している。Quick の結果を p=2 に限定された状況ではあるが non-torsion コホモロジー類の場合に拡張したものがこの論文のテーマである。この論文では p=2 と限定して議論しているが2020年度の研究(以下の (2))で p が奇素数の場合にも同様の結果が得られる可能性があることがわかった。 (2) p が奇素数の場合に連結リー群 G の分類空間 BG の mod p コホモロジーは G の基本アーベル p-部分群で detect できるであろうという河野と柳田の論文に記載されている Adams の予想の反例を構成した。この結果については2021年11月のオンライでの開催のホモトピー論シンポジウムでの招待講演 "Elementary abelian p-subgroups and the cohomology of the classifying space of a connected Lie group" の中で発表した。この反例はユニタリ群 U(p) の3個の直積をその中心の部分群で Z/p の2個の直積と同型なもので割った商群で与えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
査読付きの論文1本が出版されているので研究は進んでいると言える。また上に述べたような新しい結果も得られている。しかしながらそれを論文にまとめて投稿する、という部分が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の「今後の研究の推進方策」の中で「 SU(2) の n 個の直積をその中心( Z/2 の n 個の直積)で割った商群は SO(3) の n 個の直積になり, そのコホモロジーも簡単である。これをヒントに SU(2) の n 個の直積をその中心の真部分群で最大のもの, Z/2 の (n-1) 個の直積と同型なもの, で割った商群を考える。このリー群 G の分類空間のコホモロジー, Brown-Peterson コホモロジーおよび Morava K 理論を計算することにより新しい知見が得られるものと確信している。」と書いた。今年度は「ユニタリ群 U(p) の3個の直積の商群で Adams の予想の反例が与えられる」ことを発見した。この過程で特殊ユニタリ群 SU(p) の直積の商群よりもユニタリ群 U(p) の直積の商群の分類空間のコホモロジーの方が計算しやすい面があることが判明した。これに着目して“Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" の計算の簡略化と奇素数の場合への拡張を試みたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため研究集会への参加がなくなったことが理由の一つである。国内、海外の状況にもよるが次年度は可能な限り研究集会への参加、研究打ち合わせのための旅費として使用したい。
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