2022 Fiscal Year Annual Research Report
Differential Equations with singularities on free divisors and related Geometry
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17K05269
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
関口 次郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30117717)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複素鏡映群 / 単純特異点 / potential vector field |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、大きく2つのテーマについて研究した。 1つは、E7型単純特異点と複素鏡映群No.34(以下No.34と略す)との関係である。後者は例外的な複素鏡映群の中で位数が最大である。この群とE7型実鏡映群との関係は明白ではない。しかしながら、E7型代数的Frobenius多様体の1種からある手続きでNo.34の多項式平坦構造が導かれることを研究代表者は発見した。また、No.34の基本不変式を係数とするE7型単純特異点のある変形族を構成した。これらの結果は前年度までに得ていた。これらの結果の帰結といえることのひとつであるが、このE7型特異点の変形族とNo.34の階数が一つ下がる部分鏡映群との対応関係を調べる問題が定式化される。この問題についての満足すべき成果を得た。付随する問題は、複素鏡映群No.33とE6型単純特異点との関係についての類似の問題である。これについても満足すべき成果を得た。これらの成果はアーノルドの問題「複素鏡映群と単純特異点との関係を与えよ」に対する、No.33,No.34の場合の解答とみなせる。アーノルドの問題はいくつかの複素鏡映群に対して答えが得られているが、No.33,No.34の場合はもっとも難しい場合と思われる。 2つ目は、複素鏡映群G(d,d,n)の場合の多項式potential vector field(以下PVFと略す)を求めることである。ある条件をみたす複素鏡映群に対して多項式PVFが存在することは加藤満生、眞野智行氏との共同研究で得られた成果であるが、G(d,d,n)の場合のPVFを求めることを調べている。現在、研究を継続している段階である。
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