2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K05279
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高山 信毅 神戸大学, 理学研究科, 教授 (30188099)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多変数超幾何関数 / 数値計算 / non-central Wishart / 分割表 |
Outline of Annual Research Achievements |
non-central Wishart 分布の最大固有値の分布の確率は合流型超幾何関数の積分を含む関数の行列式で表せることが知られていた. この関数は2変数の多変数超幾何関数でありその効率的数値計算方法は知られていなかった. 我々はこの関数が満たす数値的に安定な(stabile な方程式と名付けた)非同次の微分方程式を求め効率的かつ高精度な数値計算法を与えた. さらにこの手法がワイヤレス通信の性能評価問題にでてくるサイズのnon-central Wishart 行列の最大固有値の分布確率の計算に適用できる性能を持つことを示した. この手法の一般化として与えられた多変数超幾何関数に対し stabile な微分方程式系を導出する一般的なアルゴリズムを与えた. その有効性の検証は今後の課題である.
A超幾何多項式の効率的数値評価法を与え, 応用として2元分割表の条件付き最尤推定問題を解く新しい手法を提案した. この方法は twisted cohomology 群の交点数によりPfaffian 方程式を構成する最近発見された手法を応用してA超幾何多項式の漸化式を求め, さらに漸化式の合成を計算代数での強力な手法である modular method を適用して効率的に行うものである. 分割表が構造的0を持つ場合に効率的方法を与えるには twisted cohomology 群のさらなる研究が必要である.
central Wishart 分布に関連するある量を計算するには行列超幾何 2F1 の数値計算が必要となる. この計算法の大枠は完了した別科研費の研究で与えたが, パッケージとして提供できるように細部の改良を行ってアルゴリズムおよび実装の完成度を高めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A超幾何関数の効率的数値評価が本研究計画の目標の一つである。応用で重要なクラスの行列A, 多項式の場合に効率的手法を与えることに成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
接続公式の研究をおこない多項式でないA超幾何関数の場合の効率的計算方法を与える. Stabile な方程式をもとめる一般的手法をさらに研究する. 効率的に計算できるAのクラスを広げる.
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Causes of Carryover |
家庭の事情により講演や出張をキャンセルしたため. 超幾何学校(最新の研究成果を学校形式で紹介する集会)の旅費補助が別の補助金により行われたため. 本年度は家庭の事情も解消したので昨年度キャンセルした分もとりかえすように講演や出張による共同研究を行う. 本年度の超幾何学校は本補助金で行う.
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