2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of the Analysis on Manifolds
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17K05284
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (70112901)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | pseudo H-type algebra / sub-Riemann structure / Clifford module / Quantization condition / Fourier 積分作用素 / Weyl asymptotics / heat kernel / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 前年度からの続きとして、Clifford代数の認容加群に付随する2-stepベキ零Lie環(pseudo H-type Lie algebra)の自己同型群の構造の研究を行った。Clifford代数のBott周期性が、付随するLie環の自己同型群の構造にも反映されている様子は比較的簡単に明らかに出来た。これを元に46個の基本類の自己同型群の具体的な群構造の決定をほぼ終えた。このクラスのベキ零Lie環(群)の研究は格子の存在、分類から始めてその性質の研究は、それらのベキ零多様体の幾何学的な応用やその上の解析的現象の研究に基本的である。(2) 楕円型作用素に対して成り立っている現象がsub-Laplacianの場合にも成立するかについて2つの代表的な話題の試行的研究を行った。(2)-i : A. WeinsteinによるEigenvalue定理は、Maslov量子化条件をFourier 積分作用素の理論を用いて実現した意味において重要であるが、証明の微妙なところを明確にし、sub-Laplacianにも適用される様子の詳しい解析を試み論文を出版した。又その様な作用素が自然に存在する場合についても、よく知られているトーラスでない(従ってその陪特性流が完全可積分でない場合)Maslov 量子化条件を満すLagrangian 部分多様体の存在についての十分条件を得た。(2)-ii : Weyl lawは自己共役楕円型作用素の固有値分布に対する歴史的でもある一つの特徴づけであるが、劣楕円型作用素の場合の類似の漸近展開式の第二項の次数の形は一般的には証明されていなくて、最近Heisenberg多様体上のsub-Laplacianに対して証明されたが、本研究では奇数次元球面上のsub-Laplacianに対する類似の漸近式の研究をドイツの共同研究者と行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に計画した問題の内、最後の一つを除いてほぼ予定通りに研究が進み論文にもまとめ、又まとめているところである。又最初の研究計画での問題から派生する研究もいくらか進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
7のCurrent statusの項で述べた様に、研究計画の3番目の問題に今夏以降集中する予定であると同時に、完成している内容を論文にまとめる作業も共同研究者と進めていく。
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Causes of Carryover |
年度はじめと12月に重なって出張、又研究集会を共同開催したがその期間以外は出向くことが出来ず、又先方より旅費の補助を得たりしたのと、2019年3月に予定していたドイツ出張を取り止めたので余剰が出た。この分で既に10年経過して不安定になっているパソコンを買い換えれるようになった。又今年度は、既に台湾、広島との出張旅費に使用することが決まっているが、8月末ごろから10月にかけてデンマーク・ドイツと約2ヶ月出向き共同研究を行う。予算的に余裕が出ればノルウェイにも出向き共同研究の完成を目指す。
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Research Products
(12 results)