2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of the Analysis on Manifolds
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17K05284
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
古谷 賢朗 大阪市立大学, 数学研究所, 特別研究員 (70112901)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Clifford algebra / admissible module / pseudo H-type algebra / spectral inverse problem / Riemann zeta function / Maslov index / Calabi-Yau structure / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)この科研費研究課題の一つであるクリフォード代数の認容加群に付随するベキ零リー環の自己同型群の決定に関しての一昨年の提出論文の修正版を完成して出版に至った。大きな次元の場合はBott周期性に帰着出来ることを見出すのは比較的簡単ではあったが、基本周期内の対応するLie環それぞれに対して自己同型群構造の決定には何がキーポイントなのかを見出すまでの試行錯誤に大変時間を取られ、又それぞれの場合について共著者の結果とすり合わせて一致するまでに一年以上を要した。Clifford 代数はK-理論とも密接に関係し、本研究で取り扱っているLie環(群)は量子力学で重要なHeisenberg 群を含むより広範囲なLie環(群)のクラスである。この研究はIrina Markina氏(Norway, Bergen大学)と既に8, 9年前から共同研究を始め、基本問題として、(i)格子の存在、(ii)分類問題、(iii)自己同型群の決定、(iv)付随するいくつかの性質の研究を行なって来たが、本年度の結果はそれら全てに一定の結論に届いたことを意味する。更にそれぞれのLie環、特に対応するLie群とそのベキ零多様体の幾何学的解析学的な研究が色々あり今後も可能な事柄から順次研究を進めていく。 (2)Bargmann 変換はHeisenberg群上の解析学にも密接に関連しているが、同じタイプの変換を構成できる多様体は限られていて、可能と思われるCayley 射影平面について長年研究を断続的に続けてきたが、本年度ようやく重要な量の構成が出来た。それはCalabi-Yau 構造と呼ばれるが、この空間の余接束からゼロセクションを取り除いた空間を複素27次元空間の二次曲面(複素16次元多様体)として実現し、複素係数8元数を2次の複素正方行列の組に表すことにより、ある種の局所座標近傍系による開被覆が自然に考えられ、それを用いて標準束の各点で消えない大域正則切断を具体的に構成出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この4年間に本科研費補助を受けての研究課題に関連する結果を論文として10編余り(合計約250ペイジ)にまとめ、出版した。従って当初予定の研究課題の多くはそれなりの結論に至った。とはいえ、これらを踏まえた研究の深化は色々あるので今後の研究の為にも、今年度は本研究課題の一応の区切りとしての国際研究集会を大阪市立大学数学研究所で開催する計画を一昨年度末に立て、一部研究費の使用を、本科研費申請時には予定していなかったが延長して外国人招聘等に支出するつもりであった。しかしながら、その時点では予測がつかなかったコロナ禍による世界的パンデミックの為に開催を延期せざるを得ない状況となり、従って更に一部は再延長し2021年度に開催する予定でいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研費等の補助で2020年12月に予定していたが、コロナの影響により開催出来なかった研究集会の開催が今年度の第一の目標であるが、現時点(2021年4月)でも国内移動と対面研究集会の開催可能性ですら不透明で、外国人招聘の可能性の見通しが全く立てれない状況である。研究集会開催の目的は単に講演をしてもらえばいいと言うものでなく、実際に出会いzoom等の遠隔交流では得られない将来の更なる研究交流、研究発展への寄与が主目的であるので、従来通りの研究集会の本年度中の開催を目指す努力をする。その間、上記(1)の関連する研究を更に発展させる。(2)に関連するの研究についても本年度後半には特に集中し完成させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍予定していた国際研究集会が開催出来ず、招聘費用としての予算が執行出来なかった。国内出張も研究集会が遠隔になり出張費用としては使う機会がなかった。
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Research Products
(6 results)