2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the Analysis on Manifolds
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17K05284
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
古谷 賢朗 大阪市立大学, 数学研究所, 特別研究員 (70112901)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Cayley射影平面 / Calabi-Yau構造 / 幾何学的量子化 / Maslov index / Lagrangian distribution / sub-Riemann構造 / pseudo H-type Lie代数 / spectral zeta 関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 数理研共同研究(公開型)「幾何構造と微分方程式ー対称性・特異点及び量子化の視点からー」(連携研究者が研究代表者)を今年度末に数理研補助とともにハイブリッドで開催した。内容的には微分写像の特異性や、Fourier積分作用素、sub-Riemann構造に関わること等今後の研究を進めるに大いに役立った。 (2) 長年懸案であったCayley射影平面上のBargmann型変換の構成について最終解決に至った。この構成にはCayley射影平面の余接束からゼロ元を除いた空間を6個の2×2の複素行列と3つの複素数の複素27次元空間に2次曲面として埋め込むことを出発点とし、Calabi-Yau構造を持つことを具体的に各点で消えない正則な大域切断を構成し示した。これをもとに上記空間上に多項式函数を制限した空間にHilbert空間構造を導入し古典的な場合のFock spaceに対応する空間の系列を構成した。Bargmann型変換はこれらの空間からCayley 射影平面上のL2空間への作用素であり古典的な場合の類似である。数度の修正を経て論文がJournal of the Mathematical Society of Japanに受理された。この方法で可能な場合は一通り完成したが、異種球面に対してもその構成の可能性を追求できるようになった。 (3) Clifford moduleに付随したLie環(pseudo H-type Lie代数)の分類と自己同型群を完全決定した。 (4) (3)のベキ零多様体上のsub-Laplacianのspectral zeta関数を決定しLaplacianの場合との違いを明らかにした。 (5) sub-Riemann多様体に対して、Maslov量子化条件下の固有値存在定理の証明を与えた。 これら全ては今後の研究の基礎となる内容であり、昨年今年はコロナ禍延長となっているが、既に始まっている次の科研費研究の先行研究でもある。
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Research Products
(4 results)