2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05286
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
内山 充 立命館大学, 総合科学技術研究機構, プロジェクト研究員 (60112273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 作用素関数 / 正値線形写像 / Choi 予想 / 作用素環 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究課題の第一の目的は「Choi予想の解決」であった。それは、作用素環における正値線形写像についての トロント大学 Choi 教授の予想を解決することであった。この予想の先行結果は次の通りであった: Kadison によって、関数 f(x)=|x| についてはある命題が成立することが証明されていた。また、作用素凸関数という特別な関数についてはこの命題が成立することは Choi 自身が示していた。 直線ではない全ての連続関数についてこの命題が成立するというのが Choi 予想である。この予想は先行結果をはるかに超えた命題であるため、Choi 予想は間違いではないかとの疑念を研究者が抱いただけではなく、研究するための道具が見当たらない状態であった。私もこの予想に取り組んで以来いくつかの結果を得ることができていたが、最後の段階に到達することは長い間できていなかった。九州大学でのセミナーやベトナムでの研究集会などで研究の途中経過を発表してきたが、最後の段階に到達することはできていなかった。困難なところは微分不可能な連像関数により生成される作用素関数の扱いであった。研究者との意見交換や試行錯誤の後、平成29年度の初めに「軟化子と超関数」を用いてそれを完全に証明することができた。この分野でこのような道具を用いての文献は寡聞にして知らない。従ってその証明は独創的であるといえる。この論文は Journal of Mathematical Analysis and Applications に受理され既に出版された。また、カナダのエドモントン大学で開催された国際会議「Positivity IX」で講演しその成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究課題の第一の目的「Choi 予想の解決」を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
当研究課題の第一の目的が達成できた後は第二の目的「regid 関数の研究」に取り組むべきであるが、強作用素凸関数の概念を導入したアメリカのPurdue大学 Brown 名誉教授と共同研究を始めている。従って、研究計画を変更し、「強作用素凸関数」について研究する。特に、作用素単調関数の差商が強作用素凸であるかどうかを調べる。
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Causes of Carryover |
ノートパソコンを購入する計画でしたが、機種選考に手間取り購入できなかった。次年度に購入する。
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Research Products
(3 results)