2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K05286
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
内山 充 立命館大学, 総合科学技術研究機構, プロジェクト研究員 (60112273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 作用素関数 / 作用素凸関数 / 強作用素凸関数 / 作用素単調関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象である作用素関数に関する論文・原稿が L.G.Brown (Purdue Univ. USA)から送付されてきた。それらは彼が以前から取り組んでいた Strongly operator convex function についてのものであり、私を含め日本ではなじみのない研究であるが、内容は独創的であった。私は彼とは異なる方法、即ち作用素不等式、を用いて彼の結果を簡単化し、e-mailでの共同研究によって、共著論文「Some results on strongly convex functions and operator monotone functions」Linear Algebra and its Applications (2018) を出版した。 この結果は日本数学会(岡山大学)で講演したほか、「作用素論・作用素環論研究集会(静岡大学)」で50分間の招待講演をした。 B. Simon (CalTec) から、Springer から出版予定の著書`Loewner's Theorem`の原稿が送られてきた。その中のある節のタイトルが `The Theorem of Bendat-Kraus-sherman-Uchiyama` となっていた。著者の知見の深さを示す重厚な原稿を精査して、多くの誤記を訂正した。 以前からの共同研究者である J.C. Bourin(Univ. Franche-Comte, France)を訪問した。そこではセミナーや討論によって、お互いの研究内容についての知見を広めた。その過程で、彼はイランの若い研究者の論文 H. Najafi `Operator means and positivity of block operators` (Math.Z 2018)に触れた。私はその翌日にその論文の基本的な定理の別証明を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
作用素凸関数の Loewner 核関数が作用素単調関数になることは知られていたが、作用素単調関数の Loewner 核関数については部分的にしか分かっていなかった。L.G.Brownによる強作用素凸関数がそれであることが共同研究で解明できたことは重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
作用素関数を作用素平均の観点から研究を深める。
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Causes of Carryover |
予定より安価なノートパソコンを購入したため。
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