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2022 Fiscal Year Research-status Report

Characterizations of function spaces that preserve some results on martingales

Research Project

Project/Area Number 17K05291
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

菊池 万里  富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (20204836)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2024-03-31
Keywordsマルチンゲール / ノルム不等式 / Banach関数空間 / 再配列不変空間
Outline of Annual Research Achievements

離散時確率過程h={h(n)}に対し、その極大関数をMh=sup{|h(n)|:n=1,2,3,...}で定義する。この記法の下、(1/p)+(1/q)=1であるような2つの指数p, q及び一様可積分な2つマルチンゲールf={f(n)}, g={g(n)}に対し、不等式E[M(fg)]≦E[f(∞)^p]^(1/p)E[g(∞)^q]^(1/q)が成り立つ.但し、E[x]は確率変数xの期待値を表し、実数A, aに対し、A^aと書いてAのa乗を表すものとする。E[f(∞)^p]^(1/p)はL^p-空間におけるf(∞)のノルムであり、E[g(∞)^q]^(1/q)はL^q-空間におけるg(∞)のノルムであるが、これらのノルムを一般のBanach関数空間X及びその連携空間(associate space)X'のノルムに置き換えてできる不等式、すなわち、E[M(fg)]をf(∞)のXにおけるノルムとg(∞)のX'におけるノルムの積で評価する不等式が成立するための必要十分条件(そのようなXの特徴付け)を考察した。その結果、少々課題は残ったものの、ほぼ予想通りの結論を得ることができた。
他の多くのマルチンゲール不等式が成立するようなBanach関数空間Xの特徴付けと同様に、考察した不等式がXにおいて成立するためには、Xが再配列不変でなければならない。この条件に、XのBoyd指標に関する条件を付加することで、求める必要十分条件が得られる。但し、まだ証明に不完全な部分が少々残っているので、引き続きこの研究を進めたい。
尚、多くのマルチンゲール不等式の成立するBanach関数空間が再配列不変性を持つことは、それらの不等式がフィルトレーションに依存せずに成立することから導かれる。今後は、1つのフィルトレーションに限定した上で、種々のマルチンゲール不等式が成立するための条件を研究したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでの研究により得られた結果の一部は既に論文として発表済みであるが、当初の計画ほどには進んでいない。
その1つ目の原因は、新型コロナウィルスの感染拡大による業務量が多大であったことにある。オンライン授業を行うための資料作り(スライドの作成など)に多大な時間が必要になり、2020年度においては、研究に費やす時間が取れなかった。また、2021年度も2020年度とは異なる授業を担当したため、授業の資料作りに多大な時間が必要になってしまった。
2つ目の原因は、所属学部の副学部長としての業務量が多大であったことにある。2019年4月からの4年間、副学部長の任に就いたが、現段階では公にできない学部の改革を進める時期と重なってしまったため、研究に費やすはずであった多大な時間を改革の推進のために利用せざるを得なくなってしまった。但し、特例として延長した研究期間の最後の年である2023年度には、副学部長を退任することができたため、より多くの時間を研究に費やすことができるものと思う。

Strategy for Future Research Activity

Banach関数空間XにおいてFefferman型のマルチンゲール不等式が成立するための必要十分条件(そのような不等式が成立するXの特徴付け)を導出することが、当初の課題の1つであった。これについてはまだ研究に着手できていないため、今後はこの研究を進めたい。
また、これまではフィルトレーションに依存せずに、すべてのマルチンゲールに対して種々のノルム不等式が成立するための条件を研究の対象としてきたが、今後は、ある特定のフィルトレーションに関するマルチンゲールに対して、種々のノルム不等式が成立するため条件を研究対象に加えたい。

Causes of Carryover

(1) 2022年度には、まだ新型コロナウィルスの感染拡大により、これまで参加していた多くの研究集会やセミナーなどが開催を自粛、若しくは、オンライン開催・ハイブリッド開催となったため、当初予定していた旅費が不要となったこと
(2)副学部長の任にあり、対面開催を実施したセミナーなどに参加することができず、旅費が不要となったこと
以上の2つの理由により、次年度使用額が生じた。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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