2019 Fiscal Year Annual Research Report
Computer algebra based methods for hypergeometric functions in some variables and its applications
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17K05292
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小原 功任 金沢大学, 数物科学系, 教授 (00313635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複素解析 / 超幾何関数 / 数式処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究目的は、多変数超幾何関数について、パッフィアン方程式や関数等式などのさまざまな公式(関係式)を数式処理の技法を援用しながら導出することである。計算数理統計など関連する諸分野が急速に発展する中で、計算効率のよい公式を探索することの重要性は増している。探索は数式処理システム上に専用のソフトウェアを実装することで行う。この先には、より一般化された多変数超幾何関数の一族に対して、新しい公式を発見し、それらを系統的に理解していくという長期的な目標がある。 ランク9の2変数超幾何関数 F9 について、そのオイラー型積分表示に現れる局所系について深く研究を行った。一般にオイラー型積分表示について調べることで、超幾何関数の重要な性質が明らかになることが経験的に知られている。研究結果は、学術雑誌に掲載された。 また、工学に由来するある2変数特殊関数の性質について詳しく調べた。この関数は、変形ベッセル関数を積分核に含むような積分表示で表される。さらにその特徴として、非サイクル上での積分として表されていることが挙げられる。現在、D加群や数式処理の技法を援用しながら、非斉次微分方程式系、非斉次パッフィアン方程式を求め、数値解析に応用できることを確認した。また、ランク9のある2変数超幾何関数について、その局所系の性質を深く調べた。この結果は学術雑誌に掲載された。 さらに本研究の派生として得られたグロタンディーク局所留数の計算アルゴリズムについては、その高速化手法について研究を進めた。
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