2022 Fiscal Year Annual Research Report
A unified approach to the convergence theorems of nonlinear integrals containing decomposition integrals by the perturbative method
Project/Area Number |
17K05293
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河邊 淳 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (50186136)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 非加法的測度 / 非線形積分 / 積分汎関数 / 摂動性 / 積分汎関数の収束定理 / Choquet積分 / 分布型積分 / 分割型積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,分割型積分の収束定理に関する新たな切り口での研究方針を見出すため,九州地区の関連する研究者との対面及びオンラインでの研究討論を繰り返した.また,現在執筆中の英文専門書に,研究期間中に得られた非線形積分の摂動法による統一的解析手法を紹介する章を加える作業を行った. 研究期間全体を通じては,Choquet積分・Shilkret積分・Sugeno積分に対する収束定理の精密化とそれらの摂動法による統一的解析を行った.主な研究成果は下記の通りである. (1)Vitaliの収束定理の非加法化に必須の概念である一様可積分性を積分汎関数に対して定式化し,一様可積分性は,一様積分有界性かつ一様絶対連続性と同値であることを示した.また,この事実はChoquet積分やShilkret積分では成立するが,Sugeno積分では成立しないことを示した.(2)積分汎関数に対するVitaliの収束定理が成立するために非加法的測度に課すべき必要十分条件は,被積分関数列が概収束する場合は連続性かつ零加法性,測度収束する場合は自己連続性であることを示した.(3)非加法的無限測度に対する新たな特性として,条件自己連続性を導入し,測度収束関数列に対してChoquet積分の優収束定理が成立するための必要十分条件は,非加法的測度の条件自己連続であることを示した.これらの結果により,非線形積分の収束定理の適用範囲(応用範囲)が格段に広がり,その適用限界(必要条件)も厳密に把握できるようになった.(4)積分汎関数の諸性質がべき乗演算に対して頑健性をもつことを利用して,我々が推進する非線形積分の収束定理に対する統一的理論展開の手法を継承したまま,p乗関数列の収束定理をすでに得られた研究成果の応用として導く方法論を提示した.これにより,測度収束する関数列のp次モーメントの収束定理が容易に取り扱えるようになった.
|
Remarks |
信州大学学術情報オンラインシステムSOAR http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.jaAaZVkh.html
|