2017 Fiscal Year Research-status Report
Research on differential operators on infinite dimensional spaces via stochastic analysis
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17K05300
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河備 浩司 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80432904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠岡 誠一郎 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (20646814)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 確率論 / 確率解析 / 確率偏微分方程式 / ラフパス理論 / 離散幾何解析 / マリアヴァン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前研究課題「無限次元空間上の確率解析と関連する微分作用素の研究」に引き続き, 本年度は以下の3つの研究を行った。
(1) Sergio Albeverio, Michael Roeckner両氏と(cut-offが入った)exp(\phi)_{2}-量子場の確率過程量子化に現れる無限次元拡散過程の研究を主にDirichlet形式を用いて行っているが, 今年度は研究分担者の楠岡誠一郎氏の協力も得て, 特異確率偏微分方程式の視点からこの拡散過程を直接構成できないかどうかの検討も開始した。この研究が進展すれば, 現在執筆中のDirichlet形式の生成作用素の本質的自己共役性についての論文の質が大幅に改良されることが期待できる。なおこの方向の今までの成果と今後の問題点をまとめた英文概説論文[1]は, 近日中に出版される見込みである。 (2) 研究協力者の石渡聡氏および大学院生の難波隆弥氏と行っているベキ零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークの中心極限定理に関する共同研究はさらに進展し, ラフパス理論のアイデアを加える事で今までおいていた技術的な仮定を取払い, 2種類の汎関数中心極限定理を得ることに成功した。論文は2本に分けて近日中にarXivに公開できる見込みである。 (3) 抽象Wiener空間上の(元のWiener測度に絶対連続な)Gauss測度全体の集合にWasserstein距離を入れると非負断面曲率をもつ非完備な無限次元Riemann多様体になることは, 昨年度までに高津飛鳥氏との共同研究で得られていたが, 今年度はこの成果の口頭発表を行い, 高津氏との共著論文の改訂作業を引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は職場で数学科長を務め, 雑務に忙殺された事もあり, 国内外の共同研究者達との研究打ち合わせおよび口頭での成果発表を満足に行える状況ではなかった。特に研究テーマ(3)の遅れが気になる。その一方で, 研究テーマ(1)においての概説論文の出版が決まった事, 研究テーマ(2)が予想外に進展した事もあり, 悪い事ばかりではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究テーマ(1)については, 論文をまとめあげる際に海外の共同研究者との更なる研究打ち合わせが必要となってくるので秋に海外出張を予定している。現在のところ得られた結果をさらにブラッシュアップするためには, 研究分担者だけでなく, 特異偏微分方程式の理論に詳しい研究者との連携も重要になってくる。また研究テーマ(2), (3) については共同研究者に, 異動先の慶應義塾大学に来て頂き, 議論をさらに重ね, 論文を早急に完成させたい。
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Causes of Carryover |
数学科長の職務のために, 当初予定していたいくつかの国際研究集会・セミナーへの参加を取りやめざるを得なかったためである。残額は研究打ち合わせのための外国出張, 成果発表のための研究集会・セミナーへの出張旅費として平成30年度請求額とあわせて使用する予定である。
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Research Products
(5 results)