2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on differential operators on infinite dimensional spaces via stochastic analysis
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17K05300
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河備 浩司 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (80432904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠岡 誠一郎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20646814)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 確率論 / 確率解析 / 確率偏微分方程式 / ラフパス理論 / 離散幾何解析 / マリアヴァン解析 / Dirichlet形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は前年度に引き続き, まずはSergio Albeverio (Bonn大学), Michael Roeckner (Bielefeld大学)両氏と, (cut-offが入った)exp(\phi)_{2}-量子場の確率過程量子化に現れるDirichlet形式の生成作用素の本質的自己共役性についての研究に集中したが, exp(\phi)_{2}-量子場だけでなく, sine-Gordon 量子場モデルでも同様の結果が得られることが分かった。これらの進展を議論するために2月末にBonnに2週間弱滞在し, 滞在後にプレプリントが完成した。共同研究者の最終点検の後に近日中にarXivに公開し, 専門誌に投稿する予定であるが, すでに国内での研究集会, セミナーにおいて口頭発表を行っている。また研究分担者の楠岡誠一郎氏と九州大学の星野壮登氏の協力を得て, 特異確率偏微分方程式の視点からこの拡散過程を直接構成し, Dirichlet形式から得られる拡散過程と一致することも示した。この研究成果は7月にプレプリントをarXivに公開し, 現在は海外の専門誌に投稿中である。
その他に, 前年度に投稿した石渡聡 (山形大学), 難波隆弥 (立命館大学)両氏とのベキ零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークの中心極限定理に関する論文2編の改訂作業を行った。またこの研究に関して7月に上海で行われた国際研究集会で招待講演を行い, 8月に東京大学で行われた「サマースクール数理物理」で3コマの集中講義を行った。
さらに東京確率論セミナーに他大学から講演者を招き, 関連研究分野の情報収集を行ったが, 数人分の旅費を本研究費からサポートした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今までの研究に一区切りついたのが大きい。また楠岡氏, 星野氏との共同研究は当初の計画以上の進展を見せた。
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Strategy for Future Research Activity |
今までに得られた exp(\phi)_{2}-量子場モデルの確率過程量子化の研究成果はいずれも電荷係数に所謂L^{2}-regime条件が課されている。今後はこれをより弱いL^{1}-regime条件に弱めることが課題であるが, Gauss乗法カオス理論の研究成果を組み合わせて考察を行いたい。
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Causes of Carryover |
研究代表者の大学での業務の都合もあり, 2月のドイツ出張が当初の計画よりも短くなってしまったが, 持ち越した額は次年度に共同研究者との研究打ち合わせのための旅費に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)