2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05301
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阿部 誠 広島大学, 理学研究科, 教授 (90159442)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中間的擬凸性 / シュタイン多様体 / 正則近似定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は,n個の複素変数の組全体のなす空間の上の領域,シュタイン多様体の上の領域,または一般のK完備複素空間において,中間的な擬凸性・正則凸性・完備性・正則近似性質,または層係数コホモロジー群の性質等に注目して,順を追って,これらの間の関係を調べることにより,複素空間・複素多様体におけるシュタイン性に関連する解析的または幾何的性質について新しい道筋を加えることである.そのような研究の最初の試みとして,この年度においては,シュタイン多様体の上の領域の中間的な擬凸性の考察にも応用が可能な形で,n個の複素変数の組全体のなす空間の上の領域について,中間的な擬凸性の2次関数を用いて定式化される中間的次元の1パラメータ球体族による新しい特徴付けを完成して,その概要を複素解析に関する国際研究集会,および別の国内研究集会において発表することができた.これは研究協力者を含む学内共同研究である.また,シュタイン多様体内の連結開集合に対する強い円板的性質と正則近似性質・有理型近似性質との関連についても引き続き研究を行い,特に,複素1次元の場合に限定すれば,開リーマン面の連結開集合についての正則近似性質と強い円板的性質の関係を用いて,単葉型開リーマンを特徴付けることができて,このことについてもその概要を複素解析に関する国内研究集会において発表することができた.これは研究協力者を含む国内共同研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
n個の複素変数の組全体のなす空間の上の領域についての中間的な擬凸性の2次関数を用いた中間的次元の1パラメータ球体族による新しい特徴付けについて,現時点では,その詳細を出版するには至っていないが,一方,開リーマン面の連結開集合についての正則近似性質と強い円板的性質の関係を用いた単葉型開リーマン面の特徴付けについては,当初の計画より早く概要を口頭発表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
n個の複素変数の組全体のなす空間の上の領域についての中間的な擬凸性の2次関数を用いた中間的次元の1パラメータ球体族による新しい特徴付けについては,その応用を含めた形で,さらに次の段階へ進みたい.また,開リーマン面の連結開集合についての正則近似性質と強い円板的性質の関係を用いた単葉型開リーマンの特徴付けについての出版を準備したい.
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Causes of Carryover |
時期的な要因により書籍等の購入の発注が遅れたため,それらについては,翌年度分と合わせて購入する。その分の金額は多くはないため,翌年度の使用計画に大きな変更はない.
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