• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

固有正則写像に関するgap現象の幾何学的解明

Research Project

Project/Area Number 17K05308
Research InstitutionNagano National College of Technology

Principal Investigator

林本 厚志  長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (90342493)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords一般複素擬楕円 / 固有正則写像 / CRベクトル場
Outline of Annual Research Achievements

次元の異なる一般複素擬楕円体の間の固有正則写像の分類を行った。2017年度からの継続した研究であったが、2018年度の前半に完成した。その結果は、「そのような写像は定義域と値域の定義関数に現れる、対応するブロック毎に変数が分離する写像Fに同値である。ただしFは”恒等写像”をいくつかテンソルしてできる写像を成分に持つ写像である」である。
得られた定理の証明は次のようであった。定義域と値域の一般複素擬楕円の強擬凸境界上に定義されたCRベクトル場を”うまく”直和分解する。”うまく”とは、「考えている写像により直和分解された各成分が移りあう」という条件である。つまり写像が「直和成分保存」になるように直和分解する。写像をある解析的集合に制限するとブロックが一つの場合に帰着させることができ、ベキ級数を使って写像の性質を調べることによって証明ができる。
しかし、CRベクトル場の直和分解と写像の関係を詳しく調べることにより、さらに証明が簡単にできることが分かり、それをまとめることができた。
この論文は投稿して2019年5月に掲載が決定された。現在校正刷りを待っている段階である。
この定理の意義は次元の異なる球の間の固有正則写像の分類と対比すると顕著である。級の場合には次元の差の大小により同値な写像の分類が複雑になっていた。しかし一般複素擬楕円の場合には次元の差の大小に依らず、特定の写像に同値になることが分かった。それは球と一般複素擬楕円の対称性の違いに由来する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度行った研究について論文にまとめることができ、2019年5月にその論文が掲載決定となったため、進捗状況としては、おおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

次元の異なる一般複素擬楕円の間の固有正則写像の分類は一応終わった。今後は(同じ次元の、または異なる次元の)有界対称領域の間の固有正則写像の分類を行いたい。Cartanによりそのような領域は4種の古典型と2種の例外型に分類されている。有界対称領域の間の写像の性質は一般論として「固有正則写像は双正則写像である」などのことが分かっているが、個別の領域に対しての性質は分かっていないことが多い。例えば、古典型の4種のうちの1つに対しては写像の分類が行われているが、残りの3種については行われていない、などである。古典型領域に対しても行われていないため、先ずはそれらの間の固有正則写像の分類を行う。
一般複素擬楕円上に有界対称領域がファイバーとして乗っているような領域をHua領域という。上のような写像の分類ができると、それを利用してHua領域の間の固有正則写像の分類ができると期待される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 一般複素擬楕円と固有正則写像2019

    • Author(s)
      林本厚志
    • Organizer
      日本数学会年会

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi