2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K05312
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 英之 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (20431497)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非圧縮性Navier-Stokes方程式 / 弱解 / 正則性 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,非圧縮性粘性流体の運動を記述する非圧縮性Navier-Stokes方程式の弱解の正則性について研究を行った.特に3次元全空間で定義された弱解のクラスの一つである局所エネルギー解(local energy solution)の正則性に関する研究をKyungkeun Kang氏(Yonsei大学)およびTai-Peng Tsai氏(British Columbia大学)と共同で行った.|x|の冪乗の重みを伴うL2空間に属する初期値に対する局所エネルギー解の正則性については,特定の指数の冪に対してCaffarelli-Kohn-Nirenberg(1982), D'Ancona-Luca(2016)や我々の前論文等によって研究が行われていたが,今回の結果では冪の指数に関する制限を外すことに成功し,初期値の原点での正則性が高いほど,局所エネルギー解が正則となる領域の評価が改良できることを示した.今回用いた手法を応用することで,局所的にp乗可積分(pは3以上)となるような初期値に対する局所エネルギー解の一様ノルムの時間正則化レートについても新しい知見を得ることができた.このような研究はJia-Sverak(2010)やBarker-Prange(2021)によって行われていたが,従来得られていた評価をある意味で改良するものとなっている.以上の結果の証明では初期値の正則性に適合するスケール変換に関して自然な局所エネルギーを導入し,その時間発展の評価を行うが,非局所性を伴う圧力項の制御が重要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非圧縮性Navier-Stokes方程式の研究においては,前年度の研究において得られた考察をさらに発展させることで,局所エネルギー解の正則性に関して新しい知見を得ることができた.以上の理由から研究は順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
新型感染症の流行の収束までは出張や学会発表等の研究活動が制限される可能性が高いため,オンライン上での研究討論や情報交換を行うことにより研究を推進する.今年度得られた全空間におけるNavier-Stokes方程式の局所エネルギー解の正則性に関する結果を一般の領域の場合に扱うことができないかを検討する.
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Causes of Carryover |
研究発表や打ち合わせのための出張を計画していたが,新型感染症の流行により,その機会が減り,旅費による支出額が想定を大幅に下回った.次年度は海外出張や研究に必要な機材の購入等のために使用する予定である.
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Research Products
(4 results)