2017 Fiscal Year Research-status Report
圧縮性流体に対する数学的手法の構築と他の方程式への応用
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17K05315
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柘植 直樹 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (30449897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 圧縮性オイラー方程式 / 不変領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
去年度、ノズル内の等エントロピー流を記述する方程式に対して、時間大域解の存在を示す事ができた。今年度は、その研究成果をいくつかの研究集会で発表した。具体的には、「流体と気体の数学解析」数理解析研究所 2017年7月7日、「第1 回松江数理生物学・現象数理学ワークショップ」松江テルサ 2017年11月30日、「非線形現象の数値シミュレーションと解析2018」北海道大学理学部 2018年3月10日。特に、松江と北海道大学の研究集会では、自分の分野以外の研究者とも交流をもつことができた。松江では、生物モデルや数値計算の方々と交流し、応用の方々がどのような視点で研究しているのかを知ることができた。また、北海道大学では、反応拡散系・粘性解・数値計算の方々と交流した。そこで、私の研究で用いる不変領域と、彼らの研究における興味との関連について学ぶことができた。また、彼らの分野で、不変領域がどのように用いられているのかも知ることができた。 また、(1) 周期境界条件に対して周期外力のついた圧縮性オイラー方程式の周期解の存在と、(2) 圧縮性ナビエ・ストークス方程式の衝撃波の安定性に関する論文を読んで研究を進めているが、これらに関しては、まだ思うような成果は得られていない。原因は以下である。(1)に関しては、空間周期的な不変領域を求めることができないでいる。(2)に関しては、時間大域解の存在を示すために必要なエネルギーのアプリオリ評価を得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 周期外力のついた圧縮性オイラー方程式の周期解と、(2) 圧縮性ナビエ・ストークス方程式の衝撃波の安定性に関する研究が、思うように進んでいない。(1)は、空間周期的な不変領域を得られないことが原因である。(2)も、解に関するある不等式が示せないことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、6月末に国際会議「Hypo2018」で去年度までの成果を発表する。また、【現在までの進捗状況】の(1)と(2)に加えて、去年度までに得られた不変領域に関する知見を反応拡散系に応用する研究も行いたい。
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Causes of Carryover |
当初参加予定していた研究集会のとき、業務が入ってしまったため、参加できなかったため、当該年度の予算を使いきることができませんでした。この分は、来年度の講師を呼ぶときの旅費に使わせて頂きます。
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Research Products
(3 results)