2020 Fiscal Year Research-status Report
非線形双曲型・分散型方程式の零構造と高周波漸近解析
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17K05322
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
砂川 秀明 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80375394)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 弱い消散構造 / 微分型非線形シュレディンガー方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに引き続き Chunhua Li氏、西井良徳氏、佐川侑司氏と共同で、弱い消散構造を伴う非線形シュレディンガー方程式についての研究を行った。特に1次元ユークリッド空間において3次の微分型非線形項を伴う場合の初期値問題の解について、時刻無限大におけるL^2の意味での減衰・非減衰を考察した。解の大域存在を保証する構造条件(A)と、時刻無限大において解の漸近形に対数的な位相修正が生じるための構造条件 (A_0)、および非線形項が解に消散的に作用するための構造条件(A_+)の3つを比較したとき、通常のべき乗型非線形項の場合には(A)が満たされれば(A_0)または(A_+)のいずれかが満たされることは簡単に確認できるが、微分型非線形項の場合には(A)は満たされるが(A_0)と(A_+)のいずれも満たされない中間的な場合があり、この場合にL^2の意味での時間減衰が成り立つか否かについてはこれまで全く知られていなかった。この点について研究を進め、対数的なオーダーで時間減衰が生じることを証明することができた。但し、今回得られたのは上からの評価のみであり、その最適性や下からの評価についてはまだ研究の余地がある。そこで今年度の後半は、この点についてもう少し詳しく調べるための準備的な計算と具体例による予想の検証を行った。まだまとまった成果として公表できる段階には至っていないが、L^2減衰レートの最適性に関する一定の手がかりを見出すことはできたと代表者は考えている。この研究は、次年度も継続する予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上に記した成果から判断して、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
微分型非線形シュレディンガー方程式に対する弱い消散構造とその周辺に関する研究を継続する。また、国内および海外で行われる各種研究集会(遠隔開催も含む)に参加して成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響でほとんどすべての研究集会が延期または中止になったために次年度使用が生じた。今後の使用予定はCOVID-19にまつわる社会情勢の動向に大きく依存するため未詳であるが、もし終息するならば成果発表のための出張旅費と研究集会開催のための費用として使用する予定である。一方、終息が見込めそうにない場合には研究集会を遠隔で開催のための費用としての使用も考えている。
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Research Products
(7 results)