2018 Fiscal Year Research-status Report
Transversally strictly hyperbolic systems
Project/Area Number |
17K05324
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西谷 達雄 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (80127117)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 横断的狭義双曲系 / 一様対角化 / Gevreyクラス / 初期値問題 / 適切性 |
Outline of Annual Research Achievements |
G.Metivierは実パラメーター a を含む 3x3 系の一階微分方程式系 L に対して a =0 の時は系は対称双曲系であり,従って強双曲系であり a=1 の時系は一様対角化可能,すなわち T の逆を S とする時 SLT が対称行列となる T で |T| 及び |S| が一様に有界なものが存在する,にも拘らずこの系 (a=1) に対する初期値問題が無限回微分可能な関数のクラスで適切とならない例を提出している. この例に対してパラメーター a を複素数にまで拡張して考察し,ia (ただし i は虚数単位) が実の区間 [-1,1] に属さなければこの系に対する初期値問題は無限回微分可能な関数のクラスで適切とならないこと,さらに詳しく s>2 なる s に対して初期値問題は Gevreyクラス s で非適切,さらには局所可解でないことを示した.一方で ia が実区間 (-1,1) に属す時には初期値問題は L^2 適切であり特に任意の低階に対して無限回微分可能な関数のクラスで適切となることを示した.また ia が境界点の 1 または -1 の時は初期値問題は H^1 適切となることを示した.この結果は論文として Kyoto Journal Math. に掲載が決定している. 2018年9月にはイタリアのCortonaで開催された国際研究集会「Linear and Nonlinear Wave Phenomena: Stability, Propagation of Regularity and Turbulence」で上記の結果を発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
G.Metivierの提出した実パラメーター a を含む 3x3 系の一階微分方程式系に対して,パラメーター a を複素数にまで拡張し,全ての複素数 a に対してこの系に対する初期値問題の適切性がどう変わるかを完全に決定することができた.これによって横断的狭義双曲系に対する初期値問題の適切性が,系の伝播錐と特性多様体の特異点集合との位置関係に本質的に依存することが確認された.
|
Strategy for Future Research Activity |
G.Metivierとの共同研究で局所化系が特性多様体の余法束上で狭義双曲系であれば系は強双曲系であることが分かっている.そこで系の強双曲性と局所化系の余法束上における各点ごとの対角化可能性との関係について必要性の観点から研究を行う.
|
Causes of Carryover |
2019年の3月にピサ大学のColombini氏とピサ大学で2週間協同研究を行う予定であったが,双方の日程調整がつかず,この共同研究の実施を2019年9月に延長したため. 2019年9月にピサ大学を訪れ,Colombini氏と情報交換および協同研究を行う.このための旅費として予定している.
|
Research Products
(5 results)