2020 Fiscal Year Research-status Report
Transversally strictly hyperbolic systems
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17K05324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西谷 達雄 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (80127117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 横断的狭義双曲系 / 伝播錐 / Fourier積分作用素 / シンプレクティック |
Outline of Annual Research Achievements |
主表象の固有値が半単純とし,特性多様体に横断的に狭義双曲系に対して,主表象の危点集合が,包合的またはシンプレクティックであれば,この系は強双曲系であることを証明し,その結果を Kyoto J. Math. に発表した.当初の目的は横断的狭義双曲系はその主表象の伝播錐が危点集合に対して横断的であれば,この系は強双曲系であろう,という予想を証明することであった.危点集合がシンプレクティックであれば伝播錐は危点集合に横断的であるが,逆は正しくない.そこで危点集合がシンプレクティックである,という仮定を取り除けるかどうかを研究した. 時空全体の相空間での Fourier 積分作用素を用いれば危点集合がシンプレクティックのときと同様の手法が適用できる作用素に変換できることを示した.しかしながら,時空全体での Fourier 積分作用素は一般には時刻一定曲面を保存しないのでそのままでは初期値問題には適用できない.そこで時刻一定曲面を保存する Fourier 積分作用素のみで,危点集合がシンプレクティックの場合に展開した方法を適用できる作用素に変換できる場合を決定した.これは,真に危点集合がシンプレクティックの場合を含む,より大きなクラスであることも確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
危点集合が必ずしもシンプレクティックでない場合に,時刻一定曲面を不変にする Fourier 積分作用素のみを用いて,危点集合がシンプレクティックの場合に展開した方法を適用できる作用素に変換できるかどうかを研究し,その十分条件を与えた.ここで得られたクラスが真に危点集合がシンプレクティックの場合を含む,より広いクラスであることも確かめた.
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Strategy for Future Research Activity |
時刻一定曲面を不変にする Fourier 積分作用素のみを用いて,危点集合がシンプレクティックの場合に展開した方法を適用できる作用素に変換できる場合は決定できたので,残る場合を研究する.そのために,強双曲性のうちの可解性については,相関数が複素数値の Fourier 積分作用素で系を変換し,その系に対して可解性を示し,解が因果律を満たすことは別の方法で証明することを試みる.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の感染拡大により,予定していたすべての国内外出張を中止せざるを得なかった.新型コロナ感染症の収束状況によるが,中止した国内外の出張費に充てる.
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Research Products
(4 results)